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急な天候悪化

前半少し暗めですが、後半はいつもの感じになっております。

楽しく読んでもらえると嬉しいです。

なぜ?

エルフの里を混乱させる為の一滴が、上手く作動しなかった。

憎き最高神への、一矢として放った槍が意味なく消失した。

警戒心を帯びた里への関与は分が悪い。

エルフだけなら問題ないが、最高神の使徒が居るいじょう半端な関与は命取りになる。

最高神も、あの使徒も化け物じみている。

妾の力では、正面からの戦いは不利でしかない。


『あ〜、憎憎しい最高神め。残念ながら、力では叶わぬ。だが、何としてでも妾をこのような姿にしたあの二神に、ひと泡ふかせたい。どうしてくれようか?』


深い深い薄暗い神殿に座する神。

暗闇のような髪と瞳。

顔立ちは美しいが、ゾッとするほど冷酷な瞳。


呪いを武器とする魔族の土地。

その地で祀られ、快適な空間を過ごす落ちし神。

魔族は、落ちし神の神力を願う。

落ちし神は、天上の神々からの目隠しを願う。

お互いに、利害関係があってのつき合いではあった。

ただ、魔族が落ちし神を信仰しているのも事実ではあったが。


『次は、獣人の里へゆくのか。エルフの里より手が出しにくいの。エルフは、プライドが高い分闇にも落ちやすいからの〜。、、、そうじゃ、我が使徒をつこうてみるかの。妾と違うて闇に落ちてはおらぬが、妾との絆もまだ切れてはおらぬ。さて、どう転ぶかの〜。』


暗い暗い魔族の支配する土地。

落ちし神は、次のてを伸ばそうとしていた。

憎き最高神とその使徒に一泡吹かす為に、落ちし神はうごきだす。




獣人の里は、エルフの里と違い、山々には囲まれていない。

山々には囲まれていないが、城壁には囲まれている。

こう見ると、エルフより人間の街に似ているのかもしれない。

城壁の中で獣人は暮らし、その暮らしを騎士達が守っている。

ま〜、人と違って街にいる獣人皆、強いのでどの職業についているかで、呼び名が違うだけで皆、戦える獣人なので騎士に守られて戦えない人達とは全く違う位置づけにはなるんだろう。


快適な旅だった。

これなら、私はもっと領内以外にも足を伸ばせる。

確信した。

唯一、不安要素はエルだ。


≪ひどいよ~。ひどいよ〜。僕の背中に乗らないユアなんて、メッなの〜。≫

「エル様、キャーキュ領に戻られる時は、ユアもその背中に乗ると思います。なっ、ユアそうだよな。」


サージが阿呆な事を言っている。

エルの愚痴に疲れたのだろう。

気持ちはは分かるけどね〜。

必死なのは、理解しよう。

でも、無理なものは無理なのよ。


「嫌。私は、ユニコーンちゃんの背中に乗るわ。いい加減にしなさいよ、エル。」

≪ひどい〜。こんなに尽くして〜、尽くして〜、いるのに〜、≫

「しつこいのよ。嫌なものは、嫌。エルの背中は、酔って気持ち悪かったもんね。」

≪背中に乗せて、ちょっと嬉しくて〜、羽目を外しただけなの〜。今度は気をつけるの〜。≫

「、、、一回だけ乗ってみるわ。でも、無理ならユニコーンちゃんの背中に行くからね。意地悪したら、駄目よ。わかった?」

≪立場が、逆なの〜。でも、分かったの〜。≫


全く、我儘なんだから。

って、本当は自分の足で歩けるのがいいんだけどね。

遅くもなるし、私も疲れるから遠慮なく背中に乗せてもらうわ。

今は、獣人の長の家に向かって歩いている。

私達が訪れる事は事前に連絡されていたので、里の中にもスムーズに入れた。

中々、大きな里?街?なので城壁から長の館まで遠い。

石やレンガで作られた家々が立ち並び、大きな道の周りには屋台のようなお店も立ち並んでいた。

日用品からオヤツに至るまで、色々と売られていてついつい目を奪われる。


「あっ、そうだ。ねぇねぇ、エル。」

≪なに〜?≫

「また、神様に会っちゃったよ。」

≪は〜?いつ〜?、、、ユニコーンの背中にいた時〜?なんで〜?≫

「よく分からないけど、あの神様に好かれているエルは大変ね。私は、無理だわ。」

≪精神だけ呼んだの〜。ムカツク〜。僕のユアなのに〜。メッしてくる〜。≫

「えっ?本気?」

≪勿論なの〜、大丈夫〜。眷属置いていくから、守りは完璧なの〜。フフフ。≫


エルの姿が消えた代わりに、先程のユニコーンちゃんがいた。

だが、何か慌てたみたいに私を口に咥えると、背中に乗せる。

そのまま、長の館まで走り出した。

サージ達も慌てて、私達の後ろを付いてくる。


「どうしたの?何を慌てているの?」


そういえば、何となく気持ちは分かるけど話せないのかな?

エルに口止めされているのかな?

う〜ん、なんだろう。

何か雲行きが、怪しくなってきたな。

すごく良い天気だったのにな〜。

そういえば、神様が泣くと大雨が降るって話していたな。

ん?


「ひょっとして、あのバカ親子の喧嘩でこの世界に影響がでる可能性があるってこと?」


ユニコーンちゃんが、私の言葉を理解して頷いてくれる。

なんて、なんて迷惑なバカニ神なのかしら。

迷惑にもほどがあるわ。


「サージ、天候が荒れるかも。」

「は?確かに急変しそうではあるが、なぜ分かっんだろう。」

「エルよ、馬鹿エルと神様が喧嘩すると、その反動で何処かの世界に影響出るみたい。」

「なんて迷惑な、、、。」

「だから、ユニコーンちゃんが慌ててるみたい。、、、やだ、この世界に影響がでそうだわ。空が、空気が変よ。本当に迷惑なバカ達ね。」


誰も肯定はしなかったが、否定もしなかった。

私達が、長の館に着いた途端、急な嵐がやってきた。

本当に迷惑だ。

馬鹿親子、外界をチェックしていたな。

私以外の事も考えなさいよ。

力がある者が、コントロールが必要なことがよく分かった。

今すぐ、あの二神は修行に行くべきだと思う。

本当にご迷惑おかけして申し訳ない。

私は、窓から嵐の様子を見ながら、馬鹿親子にこそ天罰をと願っていた。


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