表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
さよなら自己中  作者: 桃瀬遙
1/1

柳瀬 晴子

はるこのはなし。


私には友達がいない。


天涯孤独というわけではない。

結婚式に呼びたいような、呼ばれたいような。

所謂「親友」と呼べる人間がいない。


学生時代に何かやらかしたとか、大喧嘩したとか

そういうわけではないし学生の頃は普通に友達は多い方だったと思う。


土日の忙しさから解放された退勤後の夜、缶ビールを片手にベランダに出て夜風を浴びながらふと考える。

この先ずっと独りなのだろうか。

結婚式に呼べる友人もいなくて(予定ないけど)

大怪我して入院しても誰も面会に来てもらえなくて(したくないけど)

お葬式で泣いてくれる人もいなくて(まだ死にたくないけど)



急にゾッとした。

慌ててスマホを手に取り連絡先を開く。

両親、妹、親戚、職場の人達、いつ通っていたか思い出せない歯医者

何故登録したのか思い出せない近所のパン屋、学生時代に働いていた実家から徒歩30秒のコンビニ

ふざけて当時好きだった芸能人の名前で登録された知っているような知らないような番号


アラサーにもなってこんなふざけた連絡先ばかりのスマホをそっと閉じ、ベランダからぶん投げたい衝動を大人なので我慢する。



このままでは両親が他界してしまったら本格的に孤独になってしまう。

少しだけ残っていた缶ビールを一気に飲み干し、数ヶ月に一度程度しかログインしないインステを開く。








評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ