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第7話 金欠は人生で一番辛い

多分‥‥この辺にあるはずなんだけどなぁ‥‥何処にも無いんだよなぁ。


俺は朝一の始発で学園がある新宿区の隣の千代田区の臨海公園に来ていた。Utopia(ユートピア)の世界では“ダンジョンがある場所”と“魔物避けをしていない”場所以外には普通に魔物が生息しているその場所の1つが‥‥この千代田区の臨海公園(りんかいこうえん)になる。


そして臨海公園に来た目的は、紅海草(こうかいそう)と呼ばれる薬草を採取することだ。

紅海草(こうかいそう)はポーションの材料にもなるので、数さへあれば纏まったお金で買い取ってもらうことが出来る。


要するに()()()()ということだ。


 Utopia(ユートピア)のゲーム序盤は懐事情がかなり苦しい。なぜならダンジョン低層のスライム、ゴブリン、オーク、コボルトなどの雑魚魔物を倒して手に入れた魔石は成ったとしてもせいぜい数千円程度なので入って来るお金がかなり少ない。


なのに“武器の手入れ”“装備の修理”には金がかかるし、それに手に入れたお金もパーティーで分配になるので出るばかりで一向に金が貯まらない。

そして装備の更新できず無理に上層に上がることになり“怪我をして”また金がかかるという無限ループに陥ることになる。


だが、この紅海草(こうかいそう)があれば“武器の手入れ”“装備の修理”という出費がないので、入って来るお金を全て装備の更新に回すことが出来る。


ただこの紅海草(こうかいそう)は見つけるのがかなり難しい。なぜなら、紅海草(こうかいそう)が育つ環境がかなり特殊で、その特殊環境を見つけるのが難しい。


その特殊環境とは‥‥。

第一・“ダンジョンエリアでは育たない”

これは多分だが、ダンジョンエリアにダンジョン以外の魔物がいないのと同じ理由でダンジョン内部にすべてエネルギーが持っていかれているという設定になっている。


第ニ・“魔物避けをしている場所でも育たない”

これもダンジョンエリアで育たないのと同じで人によってそのエネルギーが入ってこないように人為的にカットしてるから育たない。


第三・紅海草(こうかいそう)は太陽を必要としない。

それどころか太陽当たると枯れてしまう。ならどこから成長するためのエネルギーを得るのかというと、紅海草(こうかいそう)が成る場所には必ずデカい湖あり、その湖から根を通して直接エネルギーを吸っている。だから太陽などの強い熱を当てると蒸発して枯れてしまうのだ。


その為育つ環境としては“直接太陽の光が当たらず”“大きな湖があり”“ダンジョンエリアでもなく、魔物避けもされてない”場所が育つ環境となっている。


だから俺はこうして全ての条件が揃っている臨海公園(りんかいこうえん)に来ており、一生懸命紅海草(こうかいそう)を探している。


そうしてやっとこそ公園内を歩き回ったお陰で、今、俺の目の前には――デカい湖の周りに咲く大量の紅海草(こうかいそう)の群生地を見つけることに成功した。


よっしゃ!!!! 見つけたぞーー!!とその場で両手を空に掲げて、歓喜した。


俺はすぐさまカバンの中から水槽を取り出し、湖の水を汲み。その中に紅海草(こうかいそう)を入れていく。


こうすることで紅海草(こうかいそう)が水槽の湖からエネルギーを吸って長時間枯れずに保存することが出来る、プラス水の中に入れることで温度も上げずに済むので、まさに一石二鳥だ。


そして大量の紅海草(こうかいそう)採集し、太陽の光が当たらないように上から布を被せ蓋をしてカバンの中にしまい。


右腕に付けていた時計を見ると6時25分を指していた。


ちょっとまずいか‥‥授業開始が7時40分なので一時間と少ししか時間がない。湖を探すために結構奥まで来てしまっていたため、急いで帰らないと遅刻になってしまう。

急いで帰ろう。とそう思い後ろ振り返ると‥‥。


――そこには体長5メートル以上はある〝ルビーベアー″の姿があった。

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