第5話 初めて生で見た勇者
冒険者登録を終え役所から出てた、俺はスマホを開きステータスを確認した。
名前 黒野 影臣 15歳。Lv1
ステータス
HP:10
MP:11
ERG:10
ATK:11
MAT:10
MAD:12
INT:10
AGI:13
DEX:12
EVA:10
スキル
短剣使い。小食。
よっしゃー!!スキル持ってるぞ!!それにステータスのバランスも悪くない!!
そのままスキルに触れて能力を確認する。
短剣使い‥‥短剣を使う時僅かにステータスが向上する。
小食‥‥ERGの回復が速いが、その分減りも速い。
ほぅ‥‥短剣使いはまぁ悪くないが、小食は何とも言えないな。ERGつまりエネルギーは物を食べることや、寝ることで回復する値。
回復が速いってことはその食べるのも、寝るのも少量で回復するってことだが、減るのも速いとなると質より量が大事ってことか。
それに小食って、こいつがずっとガリガリなのこのスキルのせいだろ。
――今、決めた。このスキル絶対に消してやる!!俺は普通になるんだ。
スマホ閉じ。予定通りにダンジョンに向かった。
そしてダンジョンに入ると魔物は一匹も居なく、学生で溢れていた。
あぁ~なるほどリポップ狩りか。
リポップ狩りとは湧いた魔物がその瞬間に狩られて、魔物がいなくなる現象の事だ。
まぁ、そりゃそうだよな。今日は入学して初日なわけだから、みんな競ってLv上げたいよな。だから混んでて当然か。
う~ん、せめて隠しエリアだけでも見たかったんだけど、ここまで人が多いと流石に行けないか。
まぁ、今行けなくても、後々人が落ちついたタイミング行くか‥‥。
俺はあり得ない人の多さを見て、諦めて仕方なくダンジョンを出ることにした。
そして役所の前を通ると、丁度役所から出てくる心結達と出会い俺の存在に気付いた心結が明らかに嫌そうな顔をした。
「あれ君は確か‥‥同じクラスの黒野くんだよね?もしかして、君もこれからダンジョンに行くなら‥‥一緒に行かないかい?」
そう話しかけて来たのは‥‥真道劉輝でこのUtopiaの主人公だ。――つまりこの世界の勇者だ。
「おい、真道――そんな弱い奴を誘うな。経験値がもったいないだろ。」
うわ~こいつも知ってる奴だ!!相変わらず口悪いな~。
この口悪い奴は内藤正彦で心結と同じように勇者パーティーの一人で、その役割は頭脳役でステータス的にもINTが一番高い。
まさにパーティーの参謀って感じだ。
「そんなこと言うなよ正彦。黒野くんはクラスメイトなんだから協力してもいいじゃあないか。」
嫌々!!無理無理このパーティーなんか入れられたら、明日にもフラグが建って死にそうだわ。
「いや~‥‥あの~話してる所‥‥申し訳ないんですけど、実は俺はもうダンジョンに行ってこれから家に帰る所なんですよ。誘ってもらったところ申し訳ないです。」
「あぁそうだったのかい。それは引き留めて悪かったね。それじゃあ、いつか一緒に潜ろう黒野くん。」
「あ、はい‥‥その時はお願いします。」
そういって早歩きでその場を離れて帰宅した。
「ただいま~」ってなんて・・誰もいないけどね。
「あら、おかえりなさい。」
「え?なんで?‥‥なんでいるの?」
聞こえてくるはずのない言葉が返ってきて――心の声が漏れてしまった。
「なんでいるのって、私が家に居たらダメなのかしら?」
「嫌々ッ!!全然‥‥全然ダメじゃあないよ。ただ、さっき家に居た時は誰も居なかったから。」
そうか‥‥もう、家に帰っても1人じゃあないのか。何か‥‥少し慣れない‥‥な。でも、心はスッキリしている。
「それにしても随分と帰ってくるのが速かったわね。てっきりもっと遅くなると思っていたわ。」
「え?‥‥何で??」
「何でって‥‥。あなた入学式が終わったら心結ちゃんを誘ってダンジョンに行くってずっと言ってたじゃあない。」
え!?俺そんなことを言ってたのか。そんなの無理に決まっているだろ!!
えーとなんて言い訳するば・・えっーと・・そうだ!!
「え‥あ、うん‥それね。明日学校でダンジョンに入るみたいだから、今日は止めて明日にしようって思ったんだ。」
「あらッ!!そうだったのね。てっきり今日はみんな遅くなると思って、まだご飯の準備してないわ。――さきにお風呂でもいいかしら?」
「あぁ、うん。全然問題ないよ。」
「そう、ならパッパと入ってきなさい。」