第3話 入学
「おはよう。」
「お、おはよう。」
と短い挨拶を交わし学園へと歩き始めたが、俺とは一定の距離を保ち俺と知り合いだと思われたくないようだった。
涼風心結はUtopiaの世界で勇者パーティーの1人で立ち位置は前衛をこなしていた。
ステータス的に、魔法系が不得意で伸びにくいが、その変わりに物理系の剣戟が強く、素早さも高いので、その速さを活かして魔物を倒すことが得意だった。
そしてそんな涼風 心結は、ビジュアルにも優れていた。スラっと伸びた黒い長い髪、モデル並みの優れたスタイル、そして整った顔つきで凄い人気のあるビジュアルをしていた。
やっぱり、Utopiaのストーリー通り嫌われているみたいだな。
まぁ、俺としても関わらないでいてくれた方が退学のフラグが建つリスクが減らせるから、離れてくれるのは寧ろ嬉しいと言える。
ヒロインにいついて情報整理していると目的地である上政学園に着き、入学説明の本にも書かれていた通りに指定されていたクラスである1―E入り。黒板に書かれたいた自分の座席に座り、机に突っ伏した。
やっぱり名前も、内観も、外観もUtopiaで通う学校そのものだ。
ここは‥‥Utopiaの世界なんだ。
俺の退学フラグが建つ理由は、このキャラ‥‥黒野 影臣がヒロイン達にストーカー紛いなことをしてクラスの奴らから嫌われるのが原因の1つだと言える。
つまりヒロイン達に近づかなければ、最もヤバい退学フラグが建つことはないと言える‥‥はずだ。
今の考えは、あくまでも最もヤバいフラグを立たせない方法で、普段の学園生活も気を付けて過ごさないと行けないな。
と考えていると‥‥キーンコーンカーンコーン キンーコーンカンーコーン♪と鐘が鳴った。
鐘が鳴り終わるのと‥‥同時に教室の扉が開き先生が入って来た。
「全員席に着け、これからホームルームを始める。」
そう、いよいよUtopiaの学園部分が始まった。
「お前達Eクラスを卒業まで面倒見ることになった小林早苗だ。よろしく頼む。まず、お前達にはこの学園について教えておく。」
と俺達1-Eの担任の先生が言った説明をまとめるとこうだ。
学園ではまず、 “実力主義”であること。どのような問題も教師は参加せず、自分達生徒ですべて解決すること。ただし個人で解決出来ないものは“生徒代表達が審議を行い判決を下す”そして判決がくだればどんな如何なる理不尽が起ころうとも、それを拒むことは出来ないということ。
そして最後に一度クラスが決まれば他のクラス移動は認められない。
やっぱり、規則もゲーム世界と全部同じだな。
この説明を始めてこの説明を聞いてもピンと来ないだろうが、学園生活をおくっていればそのすべてを自分自身で体現する事になる。
そうなればみんなのポカン顔もなくなるだろう。
「以上が学園の最も重要な規則になる。他にも細かい規則がいくつかあるが、それは今から渡すこの個別端末スマホから確認してくれ、他に何か質問はあるのもはいるか?―――いないようだな。
なら後は個人でしっかり端末を読んでおくこと、そして明日はダンジョンに入ってもらう。体調管理はしっかりしておくこと。以上――解散。」
相変わらず雑いなぁ~‥‥いや、この人は終始こんな感じだったな。
ふと周りを見渡すと、もうすでに何人かのグループは出来ていて、 “これからダンジョン行ってみる?”とか話している。
普通なら俺もすぐさまダンジョンに行きたいが、まず絶対に確認しなきゃならないのは、この渡されたスマホを確認しないとな。
スマホ起動すると・・・・。
名前 黒野 影臣 15歳。
ステータス
登録未完
スキル
登録未完
なるほど‥‥やっぱりここもUtopiaと同じね。
それから学校規則を全部読み、読み終えた頃には教室には誰もいなくなっていた。
俺も‥‥帰るか。