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第2話 目が覚めたら絶望。

んはぁ~ あ~よく寝た~。

いや~あんなに自分が溺れて死ぬ夢を見るなんて、始めての経験だったな~。


起きた足そのまま窓のカーテンを開けると、普通ならあり得ない光景が目の前に広がっていた。


‥‥えッ?何処・・ここ?


目の前には現代日本と同じ車、ビルが建っているが絶対今の日本ではあり得ない光景が映っていた風景が目に前に広がっていた。

道路走っている車は見た目こそ車だが、完全に車体が浮いているし、人の服装も俺がいた日本とは違っていた。


オイッ、一体どうなっているんだ、俺が寝ている間に何が起こったんだ。

そして部屋を見渡すと、机の上に一冊の本が置かれており‟入学説明”と書かれていた。


『黒野 影臣 様 この度は国立育成機関 上政学園へのご入学おめでとうございます。


入学式は各教室で行いますので、自分でクラスを確認してくださいませ。


それでは、あなた様と学園で会えることを教師一同楽しみにしております。』


上政学園‥‥国立育成機関‥‥黒野 影臣‥‥。

この‥‥上政学園‥‥それに国立育成機関って、まさか‥‥Utopia(ユートピア)の世界なのか?


――ハァッ!! あの運営から来たあの“招待メール”冗談じゃあなかったのか。てっきり夢だと思ってた。


でも、なんで‥‥なんで‥‥よりによってこのキャラなんだよ!?わざわざ招待するならせめて他のキャラにしてくれてもいいだろうがッ!!


そう。俺が転生したキャラはUtopia(ユートピア)のストーリー序盤でストーカーで学園を退学させられて、クソの役にも立たないゴミキャラだった。


――しかも、こいつ見た目も終わってるくせに‥‥ステータスも弱く救いようがないキャラだ。


入学説明の本を閉じ、部屋にある鏡を見ると‥‥目の下には大きなクマがあり、頬はコケているし、身長は175ぐらいあるが筋肉がないので、猫背で今にも折れそうなガリガリの体をしていた。


そう‥‥この顔‥‥この体‥‥すべてが嫌いなんだ。

うわぁー--!! なんでよりによってこいつなんだ!!


布団の上で暴れていると‥‥ガチャ――

「影臣!!そろそろ起きなさい。今日入学式でしょ!!」


‥‥え!?


「なんだ起きてるんじゃない。ならさっさと降りてご飯食べなさいよ。」


――ガチャ。


まさか、あの人‥俺の母親か? あんな綺麗な母親を持って‥どうしてこんな残念な子供が生まれるんだ。どうして、どうしてなんだ~!!


――と再び布団の上で暴れるのだった。


涙を拭き、ご飯を食べるため下に降りると‥‥。

食卓には恐らく父親であろう人と、俺のことを起こしに来てくれた美人な母親、そして俺がいた日本ならアイドルでも、モデルでもなんでも出来るくらいな美人な女の子が座っていた。


そのまますごい美人な子の隣の椅子に座ると、父親が話かけてきた。


「影臣‥‥今日からお前も高校生になり。しかも姉と同じ学校のエリート校に入れたことを誇りに思うぞ。そして、姉にも入学祝いで剣を渡したからな、お前にも一本の剣を渡しておく。」


あ‥‥この短剣。

確か、こいつがずっと使ってた短剣だ‥‥あっ、別になんらすごい能力がある短剣じゃあないよ、本当にただの短剣。


ただ、この剣は黒野にとって何よりも大事な剣だった。

退学が決まり、それを受け入れられなかった黒野は暴れたが、クラス全員に拘束されるが最後の最後まで、この短剣だけは手放さなかった。


「ありがとう、父さん。大事に使うよ。」


「あぁ‥‥頑張れよ、影臣。」


本当に頑張るよ父さん。もう、あんな風な悲しい末路にしない。


「でも、まさかあんたみたいな奴が姉様と同じ学校に行くだなんてね、無謀もいいとこよ」


「コラッ真希!!‥‥そんなこと言わないの。」


「――フンッ!!」


「ほら、影臣速く食べちゃいなさい。もたもたしてると心結(みゆ)ちゃんが迎えにくるわよ。」


‥‥心結(みゆ)?? それってまさかヒロインの涼風(すずかぜ) 心結(みゆ)のことか。

そうえば、ヒロインと幼馴染って関係だったな。


――ピンポーン~♪とインターホンが鳴った。


「ほら心結(みゆ)ちゃんが迎えに来たよ、さっさと行かないと。」


「あ、うん。分かってる。」


うわ~マジかよ。ここでメインヒロインとの初接触かよ。

でも、ストーリー上では俺の事を滅茶苦茶嫌っているから、向こうから接触してくるようなことはないだろう。

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