第1話 え?? 俺死んだ・・?
新連載!!
ゾンビと並行して書いていきます。
“ガチャ”っと玄関の扉を開け「ただいま」と発するが返しの言葉がくることはない。そんな寂しい生活を今年で4年目になる。
はぁ~俺にもそろそろ彼女とか出来ねぇかな‥‥。
もう27にもなるっていうのに、彼女いない歴=年齢だもんな・・・。
母親からも“あなたいつになったら結婚するの?” “恋人を速く作りなさい”だとか毎日うるさい〇INEが来て‥‥ずっと、無視してる。
――チッ。嫌な事を考えちまった。さっさと俺の家に帰るか。
冷蔵庫からビールと帰りに買ってきた総菜を机の上に置き、PCの電源を入れ“MMORPGUtopia”を起動した。
MMORPGUtopiaとは――2020年に発売された大人気PCゲームだ。
ストーリーすごくありきたりで、日本に7つのダンジョンが急に現れ、それを勇者とその仲間達が友情、愛、困難と様々なことを経てすべてダンジョンを突破するという物語だ。
最初はみんなこのゲームをプレイする前はクソゲーだの、金の無駄なの言いたい放題だった。
まぁ、俺も文句を言っていた奴の1人ではあったけどな。
――だが、そんな文句もいざゲームをプレイすると‥‥文句を言う奴はいなくなった。
そうこのゲームは神ゲーだったんだよ!!
ありとあらゆる要素が詰まった ゲーマの楽園だったんだよッ!!マジで。
何十、何百、何千‥‥というほどのやりこみ度、ウザい奴がスカッとボコられるざまぁ~も、愛着がわく装備、それにカッコいいモンスター、そしてゲーマーが求める難易度。
――全部が満点だった。そしてリリースして僅か1年で売り上げランキングをごぼう抜きし、堂々の第一になった。
だが、誰にもみんな飽きは必ず来る‥‥Utopiaはストーリーゲームだったため、一度クリアしてしまえば、後は消化作業になってしまう。
だから俺もその当時はこのゲームをもうじき辞め時かな~と考えていた。
だが、Utopiaそんな小さいゲームではなかった。
Utopiaの開発者達はゲーマ達全員が一度は考えたであろう、このUtopiaの世界を自分自身で冒険がしたい。という願望を聞きUtopiaをオンラインゲームとしてMMORPGに大型アップデートを行った。
そしてMMORPGになったことで、マップ、ダンジョン、職、スキル、魔物‥‥とありとあらゆるものアップデートされリアルMMORPGとしてよりいっそう楽しめるゲームとなった。
だが、そんななんでも出来るゲームで俺は冒険者や狩人のような夢な職ではなく――。
前回ログアウトした‥‥家のベットの上で目を覚まし部屋の隠し扉を開けると、目の前には大自然が広がり数多くの魔物がそこで暮らしている。――そう、俺の職は“この大自然で魔物達を育てている。”
なんでこんなことをしているかというと‥‥このゲームはここをって所をリアルにする。そのせいでダンジョン内で同じ魔物を狩っても絶滅することは無いが、ダンジョン外で同じ魔物を狩りまくれば生態系が壊れて絶滅してしまうんだ。
じゃあダンジョンの魔物で素材を集めればいいじゃあないかって?このゲームはそんな甘くはない。ダンジョン内で魔物を狩って得られるの、経験値とドロップ品(魔石、魔道具、換金アイテム)で装備に必要な素材が手に入りにくいようになっている。だからプレイヤー達は装備や武器の為でダンジョン外の魔物を狩って素材を集める必要があった。
俺も昔はこのUtopiaで1、2を争うクランに所属していたが、装備や武器の為に狩られて死んでいく魔物を見て嫌になり‥‥クランもやめて、魔物を狩るのではなく守る為にプレイしている。
さて――と、まずやることは‥‥みんなの餌やりと掃除から始めるか。
それからはいつも通りに魔物の世話をやり、時間を見ると深夜2時を指していた。
うわ~もうこんな時間かよ‥‥。
明日も仕事で朝速いし、もう寝ないと明日の仕事に差し支えるな。
ログアウトボタンを押そうとコンソールを出すと、メールボックスに①と表示されていた。
ん・・誰だ??俺にメールを送る奴なんていたか??
ここ数年はずっと魔物の世話しかしてないから、誰とも会ってないはずなんだけどな‥‥。
未読のまま放置する訳も行かないので、未読メールの送り主を見ると。
【Utopia 運営から】
あ~なんだよ‥‥運営からかよ、ビックリしたわ。
えっーーと件名は‥‥招待状??なんの招待状だと思い‥‥メールを開くと。
『この度はUtopiaを長きにわたりプレイして頂き誠にありがとうございます。
厳正なる審査の結果この度、三井様を新・Utopiaにご招待することが決定いたしました。
それでは新・Utopiaをご堪能ください。
なおこの招待は断ることが出来ませんで、ご了承くださいませ。』――プツン。
読み終わるとと同時にPCの電源も電気も何もかもが止まった。
ちょいちょい‥‥どうなってるんだよッ!!誰かの悪いいたずらだろッ!!
手に持っていたスマホの電源を付けようとするが、何故か電源が入らなかった。
すると・・PC、スマホ、テレビ、エアコン、冷蔵庫から大量の水が流れ出した。
俺は急いでリビング扉を開けようとするがビクともしない。
それに窓も寝室の扉は全部開かなくなっていた。
おいッおいッ・・い、一体なんだよこれッ!!。
何でッ!!水が出て来てるんだよ!!これ、どうやったら止まるんだよ!!
モニターの画面を壊しても何をして水が止まることはなく、俺の小さな部屋は水で一杯になり。
あぁ・・俺・・ここで死ぬんだ。
最悪だぁ・・こんなことなら風俗にでも行って童貞捨てて置けばよかったなぁ~。
ごめんな~お前ら‥‥こんな中途半端な形で世話を止めるような形になって‥‥。
この日・・2030年 7月10日 2:00 に俺は死んだ。