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懺花

作者: うちろみ にゃい

ああああああ


 僕はある日、一輪の花を見つけた。

一輪の花を見つけたとて我々はこんな大袈裟に反応しないだろう。しかしその花はそこら辺の花とは比にならないほどただひたすらに美しかったのだ。


 なにも変わらない通学路、日常、電車の車両、生活。

その前に現れたその一輪の花は、暗いいつも通りの通学路の脇で異様な存在感を発しながらしんしんと赤く光っていた。それはまるで僕を非現実にいざなっているかのようだった。


 僕はあっという間にその花の虜になった。そうして僕はその花を根っこから引きちぎり赤く滴る液体ごとポケットに突っ込み家に急いだ。


家に帰り、その花について調べてみたが、案の定一致するものは無かった。ため息をつき、ブラウザバックしようとしたらそれととてもよく似ているイラストを見つけ、手が止まる。

その花の名前は「懺花」といった。「懺悔」の懺に花と書くようだ。


花言葉は永遠の幸せ。

 僕はたまらなく嬉しくなった。あまりの嬉しさとはどれほどかというと、背後から近づいてくる人影に気が付かないほどだ!


 気がついて振り向く時には僕は包丁で刺され死んでしまった。


 あぁやってしまった。

とある日の深夜3時私は血の香りが漂う部屋で一人立ちすくんでいた。


 いや正確に言えば二人なのだが、もう一人は一人と勘定できないない為ひとりである。

ここまで言えばおおよそ察しているとは思うが、そう、私は人を殺したのである。


私は今まで殺人を犯す人間の気持ちなんて理解できなかった。何なら人を殺した今でも理解できない。もちろん悪いことをしたと反省しているし後悔もしている。だが自主しようなんてことは頭に浮かばなかった。


そもそもな話こいつが悪いのだ。こんな真っ暗なボロアパートから光が漏れていたら、虫も殺人鬼も寄ってくる物だ。それに靴がドアに挟まって空いていたのだから「どうぞ殺してください」と言っているのも同然だ。


 早速部屋を物色する。しかし金目のものは全く無かった。


あったとするならば、血塗れの花が一輪、机の上に置かれているだけだった。私は何故かその花に見覚えがある気がしたのだが、とりあえずこの場から去ろうと考え、もう一度死体を確認した。そうしたら何と、包丁で刺したところから花が咲いたのだ。机にあったものと全く同じようだ。俺はあまりの恐怖に発狂しながらボロアパートを出て何度もぶつかりながら交番へ駆け込み自首したのだった。


ああああああ

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