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6、準備

「エイダ、お城から手紙が届いていますよ」

「はい、お母様」

 エイダが緊張して手紙を開けると、そこには舞踏会の招待状があった。


 朝食の時間、エイダは父親と母親に言った。

「お父様、お母様、今週末に舞踏会があるそうですわ。これは招待状です」

「まあ、エイダはダンスが得意だったかしら?」


 シンディー婦人の言葉にエイダは少し困った顔をした。

「ダンスはケイシーに教えてもらった程度ですから、不安です」

 マクミラン子爵は言った。

「それではダンスの先生に来て頂きましょう」


 翌日、ダンスの先生が来た。

 40代に差し掛かろうかとしている細身の男性だった。

「それではエイダお嬢様、踊ってみましょうか」

「はい、先生」


 エイダは先生とダンスを踊った。

「はい、結構です。これなら、特別にレッスンをしなくても舞踏会で恥ずかしいことは無いと思いますよ」

「本当ですか? ありがとうございます」

 エイダはホッと胸をなで下ろした。


「ダンスは自己流ですか?」

「ケイシーというメイド長が教えてくださいました」

「クセのない、良いダンスでした」

 エイダは褒められて、すこし恥ずかしくなった。

 

 ダンスの先生が帰ったあと、母親からドレスが送られた。

「エイダ、貴方の黒髪と黒い目には、このワインレッドのドレスが似合うと思いますわ」

「ありがとうございます、お母様。でも少し派手ではありませんか?」

 エイダは新しいドレスを着て、くるりと回った。


「そんなことありません。週末の舞踏会は王子様もいらっしゃるのですから、皆さんおしゃれをしてくると思いますよ」

「そうですか。お母様、ブレスレットははめていて構わないですか?」

「ええ、ダーラの形見ですものね」

 シンディー夫人は、ブレスレットがエイダの魔力を封じていることを知らなかった。


「それでは、週末が楽しみですね。エイダ」

「はい、お母様」

 エイダは初めての舞踏会に胸が高鳴っていた。


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