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4、帰宅
エイダの18才の誕生日に、マクミラン家から迎えの馬車が来た。
「エイダ様、行きましょう」
「ええ、ケイシー」
エイダが馬車に乗り込もうとした時、ケイシーはエイダを呼び止めた。
「その前に、これを」
ケイシーはエイダの左腕にアンティークの腕輪をはめた。
オパールのような光沢が美しい。
「これは? 素敵な腕輪ですが、なんでしょう? 身につけると力が抜けるようです」
「これはダーラ様からのプレゼントです」
ケイシーから聞いた懐かしい名前に、エイダは少し切ない顔をした。
「エイダ様が18才になって、魔力のコントロールが完全に身についたら腕輪を渡すよう申し使っておりました」
エイダはケイシーに尋ねた。
「特別な腕輪なのですか?」
「はい。身につけている間は、魔力が押さえられるそうです」
ケイシーの答えに、エイダは静かに頷いた。
「それでは、マクミラン家へ帰りましょう」
「はい、エイダ様」
馬車はふたりを乗せると、マクミラン家へ軽快に走っていった。