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十三、

 私たち三人は、空をふわふわと飛んでいた。


「お父さん、どこに行くの?」

「まあ付いてきてごらんよ」


父は黙って、母は微笑みながら私の手を握ってくれた。


「あっ」


私は思わず声に出して叫んでしまった。私が救った人達が元気に生活している所を、父は私に見せたかったのだ。私は心から涙が溢れた。みんなみんな元気になってくれて良かった…。

こんな私でも人の役に立てていたんだ。正直、この特殊な能力を恨んだ事もあった。もっと気楽に生きることもできただろうに、神様はなぜ私にこんな試練を与えたのか不思議でならなかった。でも今ならそれが分かる気がする。幼い頃に両親を亡くした私に生きる意味を与えてくれたのだと思う。人の役に立つことで、私は自分の生きる意味を見出していたのだと自分の命を全うした後でようやく気付くことができた。


「お父さん、お母さん、ありがとう」


私は泣きながら両親に気付かせてくれた感謝の言葉を述べる。両親も泣いていた。


「そろそろ私たちも逝かないといけないわね」

「そうだな、長かったな」

「三人で逝こう」


私たち三人家族はそのまま体が薄くなっていき、成仏した。


最後は、もちろん三人とも笑顔だった。


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