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ソード・リフレクト  作者: 遊佐
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再開の花束

 花の香りが充満する花の丘、名前も知らない少女と俺は遊んでいた。俺は名前を聞こうとも思わなかったし、あちらも同じだろう。

 そこにいるだけで、一緒に笑いあうだけで楽しかった。

「君は……私のこと好き?」

 抽象的な質問、でも子供にとって好きか嫌いが世界を構成する要素であり、恋愛感情とかではなくただ自信を肯定してくれる人である証明だ。幼子であった俺は迷いもなく

「好きだよ」

 と答えた。いまでは口が裂けても言えまい、この言葉は”大人”が発するには随分と重たい言葉なのだ。

「えへへ、じゃあいつか私たち・・・結婚しようね」

 彼女は笑顔で立ち上がり俺に背を向けた。おとぎ話にでも出てきそうな可愛い服に、星が作り出す河のような青白磁色の髪を風に揺らしながら将来の約束をした。

「じゃあ、君の名前……教えてもらってもいい?」

「私の名前……? 私の名前はね……」

 

----記憶はここで終わっている。そしてあれ以降彼女に会うこともなかった。


 話は戻って今の話だ。ぶっちゃけて言うと今僕は死にかけてる。冗談とか狂言とかではなく、マジだ。本気って書いて読むマジのほうだ。正直、あの幼いころは自分がこういう立場であるとは思わなかった。

 反政府組織、響きだけ言えばなんとなくかっこいいかもしれないが、実際はそんなことはない、世間一般で言うただの犯罪者集団、僕はその構成員だった父母の息子、つまりなんだかんだ犯罪者だ。

「弾は残り5発、あいてはなんと聖騎士様までいらっしゃる超強い部隊、もう終わりだな……」

 親父の形見のガンブレード、何を考えたのか剣と銃を合体させた超迷走武器、これの使い方を教えてもらったがために他の武器は俺は使えない、生まれたら犯罪者だわ、武器まで迷走してるとなっては俺の存在はいったい何なのかつい神様に聞きたくなる。

「ガキどもは……逃げれたか?」

 未来の少年兵、運命を決められた子供たちがこのアジトにいる。でもあんまりじゃないか、勝手に産み落とされて「あなたの将来は犯罪者ですよ」なんて身勝手すぎやしないだろうか、もうこの組織は終わりだ。ならあの子たちにせめて自由を、自身で生きる選択をさせてあげたかった。だから俺はあの子たちを勝手に逃がした。遠くの町まで行けと……

「たしか、東ルートを通れといったはず…………なっ!!」

 俺がいる地点は東ルートの入り口、最悪刺し違えてもこのルートは死守つもりだったのだが、知らないうちに遠くにいる子供たちの前に巨大な壁が立ちふさがっていた。

 そう、見たまんま壁だ、遠くから見たら岩壁のようにも錯覚できそうなほどのシルエットは重甲冑、手には一振りの剣、そんな化け物みたいなやつがガキんちょ達の前に立ちふさがっている。

 まだ戦闘訓練なんて受けてない彼らは、その巨体に恐れおののき、しゃがみこんでしまっている。

「聖騎士……クリスタルヴェール……」

 見間違えるわけがない。要注意リストにあった聖騎士の一人、聖騎士として着名してから一度も彼を追いつめたものなんていない、むしろ戦闘開始から彼を半径1メートルから動かした奴もいない、まんま要塞みたいなやつだ。

「このままだとガキどもが……!!」

 飛び出すか? 助けられるのか?無残に殺されて終わるだけじゃないんだろうか・・・?

 自分が生きるのが先決じゃないのか? むしろ今ならおとりに使えば自分は逃げれるぞ?

 だけど……それでも……!!

「見殺しなんかできるわけないだろうがーーーー!!!!」

 アホかもしれない、でも足が先に出てしまった。俺だって戦場に6年以上たっている。それに比べあいつは着名から3年、こっちの方が先輩なうえに、自分の強さには自信がある。

 鈍い金属音と共に相手の長身の剣と俺の得物がぶつかり合う。彼はやはり一つも動かない、まるで岩を叩いているかのようなその感触に正直同じ人なのか違和感すら覚える。

「聖騎士さんよ……せっかくだからお手合わせ願おうか」

「……」

 喋りもしないからなおさら、俺はデコイとでも戦ってるんじゃないだろうかと錯覚しそうだ。しかし俺の剣撃を軽々と止めてくるため中の人はいるのだろう。

 正直かれこれ何分も打ち稽古みたいのをしてたら疲れてくる。

「なぁ、どうか言ったらどうなんだよ!!!!!!」

 爆発音、そうこれがガンブレードの特徴、弾丸を破裂させて爆発によるダメージと剣速の強化、癖があるが使いこなせればかなり戦闘を有利に進められる。

「おらぁ!!!」

 奴の体が一歩だけ後進する。

「よし……いける!」

 最後の一発首元への月を俺は狙う、どんな甲冑でも関節部と兜と甲冑の間はスキマがあるからだ。

「調子に乗らないで……」

ボソっと何かが聞こえたかと思ったら俺はなぜか吹き飛ばされる。まるで目の前で爆発が起こったかのような感覚だ。

 顔がばれないように被っている狐の面も割れて破片が顔に刺さる、もう死ぬか生きるかなんだからなんでつけていたのかすら壊れてから気づく。

「ったく……どんな馬鹿力だよ……」

 面を乱暴に引きはがし八つ当たりの様に地面へたたきつける。

「………!?」

気持ちあいつがびっくりしたような気がした。いや……本当にに気がしただけ、だって見えないもん顔、錯覚なのかもしれないが、動きが止まっているところを見ると本当に驚いたのだろう。

「いまなら……!」

 俺は最後の弾丸を詰め。奴に突進し、顔の前で爆発を起こした。


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