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LIFE 3

 

マルタさんが話している間もゲームは続いていた。

 僕が打ち、マルタさんが打ち、僕が打って、マルタさんが打つ。

 これが延々と繰り返された。


「……その、マルタさんも苦労されてるんですね」

と、僕は無理矢理こんな言葉をひねり出した。

 他に言えることが何もない。

 正直に言おう、僕はよくある話だと思った。

 村は略奪され、人は奪われ殺される。

 人間の醜さの極みが戦争だ。

 そしてそれらはとても自然なことだ。

 だから、そう言った後お互い大した話もせず、というか続かず、猫屋敷さんの帰りを待った。

 猫屋敷さんが帰ってきた後、マルタさんの料理が振る舞われ、そして彼女は帰っていった。


「猫屋敷さん」

「ん?」

「マルタさんってどんな人なんですか?」

「それを知るためにボードゲームしてたんじゃないの?」

「いえ、その、なんというか。

 やっぱり、思考はわかっても性格まではわからないですよ。

 第一、マルタさんの戦法は合理的な作戦一本。

 思考すら彼女のものじゃないです」

「確かにね。合理的思考はすべての人間が持つものだ。彼女特有の思考というわけではないね。

 まあ、正直にいうとね、私にもよくわからないんだ。

 金髪コックコートの料理人であって、それ以外のなんでもない。

 わかるのは、そうあろうとしてるってことかな」


 そうあろうとしてる、というのはつまりそれ以外の何もかもを排除しようとしているということだ。

 金髪、コックコート、料理人。

 3つの要素でマルタさんは構成されている。

 その3つが、彼女の生き方なのだ。

 きっと、あの逃亡経験の中で何かを見つけたのだろう。

 そう生きることが「死なないこと」につながっているのかもしれない。

 

 結局よくわからない、が解だ。

 大事なのは猫屋敷さんの友人という立場にいる人だということ。

 多分僕は、それだけを覚えていればいいのだろう。


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