過去編・第一章 第十二話 †泥熊ドラガン†
あのあと貯蔵庫の倉庫周辺を見てまわったが異常はなかった。1つを除いて
「見られてますね、若」
「なんとかならぬものかミルル」
「騒ぎになりますね」
そう、倉庫周辺を探っているうちに監視と尾行をされているのだ
「しかし……」
「ああ、下手だな。足跡があるしバッチリ音が聞こえる」
「うざったいですねぇ」
「我慢するしかあるまい……」
「それで?若、次はどこら辺から見てまわります?」
「そうだな……どれぐらい畑が広いか歩こうか」
「了解っ!!」
しばらく歩いて村の一番端の畑についた
「ここが一番端みたいですねぇ」
「そうだな」
「まだ尾行は続いてるみたいですねぇ」
「木の上を渡らず歩いてくる様はもう尊敬するな」
「ダメダメですがね」
「お、村長がお客つってたひとたちじゃねぇか!!お〜い」
畑の真ん中あたりから声がする、しかし
「……誰もいませんねぇ」
「いないな」
「ワシはここだぁ!!」
「「うわぁ!!」」
泥のなかから大きな熊みたいなのが現れた!!
「ガッハッハッ!!驚かせてすまねぇな!!こんにちはお客人!!」
「こ、こんにちは」
「こんにちは〜〜……」
「ん?こえちいせぇな!!大きな声だぜ嬢ちゃん!!ハッハッハッ。ちょっと離れてろよ……ああそんくらいだ。ちょっくら失礼して」
ヌチョ、グチョ
泥熊が畑からでてきて道に立った
「さぁ行くぜ!!」
【アクア!!】ドバァ!!ブルブルブル
「かぁあ〜〜!!さっぱりするぜぇ!!俺はドラガン!!よろしくな!!見ての通り獣人だ!!」
「あ、ああよろしく頼む」ビショビショ
「…………………ます」ビショビショ
「ガッハッハッ!!わりぃな!拭くもの貸してやるからうちにこい!!」
「借りるのはよいが大丈夫なのか?村の家までかなり遠いぞ」
「俺の家はすぐ近くだ!!ほら、見えるだろ?」
「……?」
ドラガンが指を指す方を見るとうっすらとあるのがわかる
「俺はこの村にきて遠くから木を切って自分で作ったのよ!!あんたらが、お客様第一号だぜ!!ガッハッハッ!!つもるはなしは家でしようや!!ついてこい!!」
「うむ、わかった」
「お邪魔しますぅ」
「まだ着いてねぇぞ嬢ちゃん!!気が早すぎるぜ!!」
と言うわけで熊、改めドラガンの家に向かった