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「小学生の頃だったかな...図工の時間かなんかで、スケッチをしたんだよ。けどもちろんその時はクレヨンを使ったスケッチで、鉛筆とかは生徒全員机の中にしまってたと思う。私は学校にあった【桜の木】と【太陽】を描いていたんだけどさ...」

数分の沈黙の後、彼女はいきなり語り始めた。いや、【数分の沈黙】があったのなら、【いきなり】と言うのはいささか語弊があるかもしれない。しかし、もう十年ほど前の出来事を、彼女は語り出したのだ。

「私はどうしても【太陽の色】が解らなかった。だって『クレヨンでスケッチをしましょう。』って授業だったからさ...そりゃ、【桜の木の色】はすぐに解ったけど...【太陽の色】なんかは、解らないんだよ...。」

おそらく当時の彼女は、【スケッチ】ということの意味に対して、あまりにも純粋に、あまりにも単純に、受け取ってしまったのだろう。

「けどさ、周りの皆は違ったんだ...。」十年ほど前の出来事に対して、彼女はなぜか悲しそうに。彼女はなぜか哀しそうに。

「まるで口裏を合わせたようにさ...」彼女は語った。

「皆は【水色】で、描いてたんだ...。」

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