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開演、ある語り手の悲劇
『存在を証明するには出逢わなければならない、では密室に居ることを示すにはどうするか?』
配点.人気
2010/4/30
ある男がいた、その男は苦悩に満ちた顔で足下の街を見下ろし嘆いていた。
街は活気に満ち溢れ、喧騒と銃声、エンジンの駆動音、鉄がぶつかる重低音、美しい音色、爆音、騒音、悲鳴、鳴声、罵声、怒声、嬌声、歓声、拍手
総ての音が聴こえる
そんな音すら聞こえないかのように顔をしかめながら男が呟く
「誰でもいい、知ってくれ、何が有ってなにが起きたのか…」
急に辺りが静かになり街の明かりが暗くなる
そしてけたたましい炸裂音と共に空が光る
「…誰でもいい、終わらせてくれ。」
一瞬にして街の音が蘇る、いや更に音が膨れ上がる。
街を倒壊させるかの様に大きく膨大な音が響く、街が震えガラスを割らんばかりの勢いで世界が震えていた
歓声で
万博が始まった