ひだまり笑顔
掲載内容一覧↓
1.ひだまり笑顔
2.ありがとう
~地球最後の日ver.~
3.ふしぎなくに
4.子守唄
以上、4篇の詩からなる作品です。
拙くはありますが、読んで頂けたら大変嬉しく思います。
ひだまり笑顔
たとえば
手と手をつなぎあった
ひかれあうふたりの
桃色のほっぺ
たとえば
赤ちゃんのねがおを
見守るおかあさんの
やわらかなひとみ
ひだまりみたいに
あたたかい
きもちのいい風合いに
ふれたとき
ぼくも なんだか
うれしくなるから……
見つけていきたいなぁ
ぽかぽかとともる
ちいさなえがおを
とどけていきたいなぁ
きらきらと うつる
ささいな風景を
そんなこと ぼくは
かんがえて
――春を夢みる 風にゆれてた
まだまだ寒い夜もあるけど
雨のしずくが
あたらしい季節の
花をさかせば
またあたらしい
ひだまりができるね
たとえば
ひとみに光のうず巻いて
おさな夢 追うひとの
まぶしいすがた
たとえば
こころのとびらを開いて
うららかな風 通して
はにかむ口元
ひだまりみたいに
ほがらかな
あざやかな色合いを
みつめたとき
そらも つられて
優晴れるから……
忘れずにいたいなぁ
ひらひらとまたたく
なにげない いっしゅん
育てていきたいなぁ
ひだまりにあふれる
しあわせな日々を
そんなふうに おもい
はしらせて
春をつげる たよりをきいた――
いつか、まぶたを
そっととじて
まず はじめに
浮かぶのが
『ひだまりえがお』で
あるといいなぁ……
こころのなかを
やすらぎと
春めくここちに
みたしながら
ねむる ぼくの
その顔も
『ひだまりえがお』で
あるといいなぁ……
そんなこと ぼくは
かんがえて
春にそまるひかりを見てた――
●ありがとう
~地球最後の日ver.~●
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『あしたでいいじゃん』
なんて 言わないで
同じあしたが
くるかどうかは
分からないから・・・
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『またあした』だなんて
なにげなく言う間にも
ちっちゃいシアワセ
変わらずあるよう
祈ってる――
なんたってボクは
人間だから
時間の流れには
逆らえない
ちっぽけなこの
細胞なんて
カンタンに腐って
砕けちゃうから
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『てれくさいじゃん』
なんて 言わないで
『今日のキミ』には
日がのぼっちゃえば
サヨナラだから・・・
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『おやすみ』だなんて
くりかえし交わす言葉でも
これが 最後に
ならないように
願ってる――
そんなこと言うとさ
キミはさ
さも おかしそうにさ
『そんなネガティブなこと言わないで』
だなんて・・・
バカにしたよに
笑うけどもさ
じゃあさ、もしさ
あしたの朝にさ
地球に太陽がふってきて
ぜんぶ燃えちゃったら
どうするの?
脳が焼け付きる 直前に
後悔するんじゃ
テオクレだから
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『今日はつかれた』なんて 言うんなら
そっと寄り添って
手と手つなぐだけでいいから・・・
もっと 語ろう
もっと 触れあおう
『いつまでも』だなんて
オオゲサすぎる言い方だけど
キミのすがたが
少しでもながく
となりにあれば、いいのになぁ――
こんなこと言うとさ
キミはさ
さも 困ったようにさ
『そんなハズカシイこと言わないで』
だなんて・・・
くすぐったそうに
笑うからさ
だからさ、まるでさ
今日の夜がさ
地球最後の日みたいに
とんでもなく 愛しく
思えてきてさ
まどろみに沈む 寸前に
言いたくなった・・・
『ありがとう』
ふしぎなくに
ふわり ひろがり ひかりのぬくもり
めざして およいで まよいこんだ
ひかり かげり
くるくる まわり
まーぶる つくる
ふしぎなくに へ……
ぽたり じんわり まぶたのふちより
つたって こぼれて おちたしずく
ひらり ゆらり
きらきら ひかり
おっきな ゆびに
ぬぐわれ きえた
かなしいような
うれしいような
ふしぎな すてきな
やすらぎに
せつないような
あったかいような
ここちに しずかに
まどろんだ
くらり くらり
夜のくらがり
びくり びくり
ふるえ こわがり
くるり くるり
日々を めぐり
ぐるり ぐるり
目をまわす間に
わすれておいてきて
しまったけど
ひかり あびた
あのときに
たしかに ぼくは
恋をした……
晴れと あめと
くるくる かわり
まぶしく またたく
ふしぎなくに に……
子守唄
その命の灯を
唸る風の前に晒し
その瞳の色彩を
無くしてしまうまで耐えて……
やがて 扉を
開き 光を
その震える体に
浴びたのです――
安らかな愛に
体温を
柔らかな唄に
安息を
きららかな笑みに
喜びを
きっと覚えてゆくのでしょう
けれど いまは
もうしばらく
――ねむれ、よいこよ
満月のよに円い瞳は
そっと暗闇を照らしだし
やがて無くした色彩は
いっそう強く息吹きだし
いまの私には
もはや見えない
あのお伽の時のなか
生きてるのです――
いろ おと てざわり
じぶん せかい
臆することなく
触れあって
かお ことば あゆみ
こころ おもいやり
小さな手の平に
掴んでゆく
凍てつく冬に
切なさを
心細い夜に
寂しさを
すれ違いに
悲しみを
きっと覚えてゆくのでしょう
その手の中の星を
その瞳の中の月を
落としてしまうことも
あるのでしょう
その心が紡ぐ言葉を
その足が描く歩みを
疑い泣くことも
あるのでしょう
けれど あなたが
私のことを
照らしたように
あなたも 誰かに
照らされて
愛情を知る日が
来ることを
いつも そっと
祈ります……
――けれど いまは
もうしばらく
ねむれ、よいこよ
読了頂き、ありがとうございました。
誤字・脱字、またその他に何かありましたら、お知らせ頂けると嬉しく思います。
では、また……
――hiro 2012.6.2