表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底辺Vtuber昔やり込んだロボゲーの続編でバズり散らかす  作者: うどん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/33

第2話:十分以内に終わる拠点襲撃(☆)

「うへ、うへ、うへへ……ば、バズってるよ。本当に」


 自室のベッドで寝転がりながら、俺はスマホを眺めて――にやつく。


 嬉しい。超嬉しい。

 昨日のフリー対戦から始まった事だが。

 俺の戦い方は客観的に見て面白い部類のようだった。


 同接数はうなぎのぼりであり。

 最終的には三千人が見てくれていた。

 登録者数も増えて……今数えたら、もうちょっとで千人に届くくらいだ。


 中々に良い経験が出来た。

 それもカタギリさんというプロのお陰で……そう言えば。


 あの後も何回か対戦を申し込まれた。

 二回くらい受けたけど、その度にVCで色々と言っていた。


《あれはまぐれだ! 今度こそ俺が勝つ!》

《今のは本気じゃなかった!! これがマジだ!!》

「……ふふ、面白い人だったなぁ」


 カタギリさんとは一応、フレンド登録をした。

 今も通知が鳴っており、彼から対戦を申し込まれているが。

 流石に疲れたので、放っておいている。


 ……でも、一回バズってそれでおしまいにするのは勿体ないよなぁ。


 この流れのまま、更なるバズりが欲しい。

 そう思って……アレに挑戦してみようかな。


 俺はそう考えて、配信のセッティングを始める。

 緊急であり、古参の方々がいるかは分からないけど……スタート!!


 首輪型のVR装置を起動。

 スタートと脳内で呟けば、あっと言う間に配信部屋に飛ぶ。

 俺の姿は、青いジャージの冴えない青年になっていた。

 

「……はい。こんにちわーてる! 根黒万太郎です。今、緊急で動画を撮っているのですが……なな何と! 後少しで登録者数が千人を超えそうです! いぇーい!」


 俺が手を叩けば、古参メンバーたちも集まって来た。

 彼らはコメントで俺を賞賛し。

 新規の方々も同じように褒めてくれた。

 中には、アンチのような言動を取っている人もいるが……気にしないよ!


【で、何するのー? また対戦?】

「いえ! 今日は少し大きな事に挑戦します……そう、ワールドに行きます!」


 俺がワールドに行くと言えば、皆はわっと盛り上がる。


 ワールドとは、今回から追加された新しい遊び方で。

 世界そのものに幾つかの勢力を作って、互いに領地を懸けて戦うのだ。

 大きい勢力で言えば、三つほどある。


 一つは西の大陸を支配する“聖天連合会(せいてんれんごうかい)”。

 もう一つは東の大陸で支配権を伸ばす“東亜財団(とうあざいだん)”。

 最後の一つは小規模なコミュニティーを纏めている“孤狼団(ころうだん)”。


 この三つが主要な組織だと俺は学んだ。

 要するに、この三つの勢力に関わりつつ傭兵として仕事をするのが今回の挑戦だ!


【何処かに所属するんすか?】

「あ、いえいえ! 俺はまだ新参ですし。取り敢えずは、フリーの傭兵として仕事を受けようかなぁと思います……因みに、何かおすすめの仕事があれば紹介してくれてもいいですよ? な、なんてねぇ」


 俺が冗談のつもりでいえば――赤スパが飛んできた。


【仕事をお探しと言う事で、東亜財団が発行しております“不穏分子の殲滅”など如何でしょうか?】

【でたわね!】

【財団もよう見とるわ】

「ざ、財団の方ですか? ど、どうも……え、えっと。じゃ、じゃ、受けますね。はい」


 俺が受けると言えば、赤スパの主は物腰柔らかくお礼を言ってきた。

 依頼のリストを開こうとすれば、既に何件か俺を名指しでのオーダーが来ていた。

 その中で検索を掛ければ、東亜財団の件の依頼もある。


「えっと、詳細は……元東亜財団所属の兵士が聖天連合会へと接触を計ろうとしているとの報告あり。聖天が根城にしている場所を襲撃し、速やかに不穏分子を排除されたし。尚、双方が接触する地点まで超長距離狙撃砲を多数確認。単独での作戦行動を推奨し、敵の増援の可能性も踏まえて作戦時間は十分までとする。追記、超長距離砲を破壊してくれれば追加の報酬を支払う」

【……え? 無理でしょ?】

【頭おかしいんじゃねぇの!? 超長距離砲がある上に、単独での拠点の襲撃って……じ、自殺志願じゃねぇかよ】


 中々に危険な任務のようだが……普通だな。


 ヘブンフォールでは、もっと危険な任務は数多くあった。

 このくらいであれば序の口だろう。

 俺はそう考えて――依頼を引き受けた。


 俺が承認のボタンを押せば、コメント欄は加速する。

 無理だと言って引き返すように言うもの。

 俺が撃墜される姿が見たいというもの。

 もしかしたらと期待する者……いろんな人がいるなぁ。


 俺は配信らしくなってきたとワクワクする。

 そうして、少しだけ機体をセッティングすると言って配信画面を切り替える。

 彼らには美しい景色を眺めて貰いつつ。

 俺がトークで場を繋ぐ。

 時間は取らせない、セッティングは五分で完了させるのが俺流だ。


 楽しい楽しい配信であり――新たな闘争の幕開けだ。


 

 〇


 

「ふふふ……あぁ、やっぱシャビィは良いねぇ」

《おい、マルコフ。また仕事中に音楽かぁ? 隊長にどやされても知らねぇぞ》

「うるせぇよ、デギンズ。雑音なんざ聞きたくねぇ」


 俺は優雅に流れる曲を聞きながら指でリズムを取る。

 すると、俺を注意して来た相棒はあっさりと引き下がる……にしても。


「……暇だなぁ。敵なんざ、現れねぇだろう?」

《まぁそういうな。これも大事な任務だ。何せ、俺たちは兵士だからなぁ》

「……ゲームの中だけどな。はっ……はぁ、敵、来ねぇかなぁ」


 超長距離狙撃砲の前で敵の到来を望む。

 広い荒れ地のど真ん中であり、この先には聖天の拠点の一つがある。

 俺たちはその拠点への襲撃者を迎え撃つ任務に当たっている。

 が、最後に敵が攻めて来たのは一月以上も前で……はぁぁぁ。


「誰も来ねぇだろうよぉぉ俺も貢献してぇのによぉぉぉ」

《はぁぁたく……待て、レーダーに反応が――敵だ!!》

「なに!? よっしゃぁぁぁ!!!」


 俺はすぐに音楽を止める。

 そうして、スコープを取り出して狙撃砲を構えた。

 見れば、確かに遥か彼方より敵が向かって来ている――それもたった一機でだ。


「少し物足りねぇが……俺が喰らってやらァ!!」


 俺は照準を定める。

 そうして、真っすぐに進む敵に狙いをつけて――トリガーを引く。


 瞬間、凄まじいリコイルと爆発音と共に。

 砲弾が放たれて敵へと一瞬で迫り――が、当たらない。


「はぁ!?」


 奴は回避した。

 それも、こともなげにスピードを落とす事も無く。


 速い。かなりのスピードだ。

 此方の攻撃を見た上で避けたように見えたが――そんな筈はねぇ!!


「デギンズ!!」

《任せろッ!!!》


 デギンズが敵に狙いをつけて――放つ。


 砲弾は一条の光となる。

 そうして、奴へと迫り――回避。


 奴は機体を僅かにずらすだけだ。

 それだけで、掠めただけでも機体を破壊する砲弾を避けて見せた。

 此方は総出であり、連続して砲弾を放つ。

 が、奴は全てをギリギリで回避し――爆発音が響く。


「何だ!? 何が」

《――マルコフ!! やられてる!! 敵が上空から爆撃してやがる!! 相手に位置がバレてるぞ!!》


 奴はカモフラージュで隠れている俺たちを見つけていた。

 そこへとどんぴしゃで爆弾を放っている。

 見れば、奴の肩部のランチャーからグレネードが飛んでいるのが見えた。


 俺はたらりと汗を流しながら。

 レバーを握りしめて――懸けに出る。


「やるしかねぇ。見極めろ。タイミングを!!」

《マルコフ!! 逃げろ!!》


 デギンズが忠告する。

 奴はすぐに狙撃砲から離れて飛び立つ。

 奴はそんなデギンズへと迫る。

 俺はデギンズにこっちへと来るように伝えた。


「俺が仕留めるッ!!」


 デギンズはマシンガンをばらまきながら飛行する。

 敵は無駄な動きなくそれらを回避。

 そのまま腕のパイルを構えて、デギンズを――今だッ!!!


 俺は引き金を引く。

 瞬間、一瞬の閃光と共に砲弾が奴へと迫り――奴の姿が消えた。


「何処に――デギンズ!?」

《マル――コ――だ――――…………》


 通信が途絶。

 見れば、奴の機体の胸部に穴が空いていた。

 そのまま落下し――爆散した。

 

 俺はすぐに狙撃砲から離れて――爆発。


「うわぁ!?」


 目の前で発生した大爆発。

 爆風に呑まれて機体が激しく揺れた。

 俺は爆炎の中で、サブマシンガンを構えて乱射する。


「何処だ!? 何処にいやがる!! 出て来やが――ぁ」

 

 相手のバイザーが光ったのが見えた。

 そこへと銃弾を放つが手応えは無い。

 奴のスラスターの音が響いており、恐怖で心臓の鼓動が跳ね上がる。


「はぁはぁはぁはぁはぁはぁ!!!」


 俺は恐慌状態に陥り。

 残弾全てを吐き出すように銃弾を放ち――目の前に敵がいた。


 奴は俺の腕を弾き。

 そのままパイルを俺のコックピットへ宛がう。

 俺はその瞬間に自分の運命を悟り――


「化け物がぁ――――…………

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ