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ブラック冒険者ギルドを辞めたので、ホワイト冒険者組合を立て直します ~二度目の人生、搾取される側を守る側へ/チートなし、武器は条文と段取り~

チートも無双もいらない。必要なのは『規程』と『帳簿』と『段取り』——。

過労死した法務社員・水瀬悠人は、転生神ツクヨの「推奨パッケージ(チート・ハーレム等)」を断って異世界へ。「普通に寝て、休んで、給料が出る職場」を求め、ダンジョン都市カルナで冒険者ギルドの事務員ユウトとして働き始める。だが現実は、報酬明細に並ぶ“謎の控除”と赤い『保留』印の嵐。安全対策費、臨時警備協力費……事前説明も協議もないまま差し引かれ、支払い期日すら書かれない。「規程に書いてある」で泣き寝入りする冒険者を前に、ユウトは条文を掘り当てる——『事務職員は一か月前の届け出で、許可なく退職できる』。

受理印つき退職届でブラックギルドを飛び出したユウトを拾ったのは、豪快な女組合長リナ。大剣を担ぐ現場隊長ガルド、記録係の新人ミーナと共に、潰れかけの“ホワイト冒険者組合”を立て直すことになる。だが組合の帳簿は「たぶん」「たくさん」が踊る惨状。このままでは冬を越せない。

ユウトは実務担当として、集金・支払い・事故対応まで「誰が何をするか」を手順化し、未払い・保留案件を『依頼名/番号/金額/期間/窓口の説明』まで一覧にする。ギルド側の「善意」「誠意」「裁量」すら“言葉ごと記録”し、市長と商人ギルドを巻き込んで“説明義務”と透明性で追い詰める。帳簿公開で噂とレッテルに対抗し、増えた組合員の中の揉め事には「組合規約」を作って足元から整える。

そして現場は残酷だ。死亡事故が起き、遺族の前でユウトは共済制度(冒険者保険)の初稿にペンを入れる——ないなら、作る。

やがて王都から届く、カルナ大迷宮“深層調査”の指名依頼。魔物の出現パターンの異常、過去の事故報告の不自然さ、報告書と遺族証言の食い違い——「紙」が原因で誰かが死んでいる予感がする。交渉の場でユウトが仕込むのは、剣ではなく契約書の一文——深追い禁止、撤退条件、記録の共同管理、緊急時の代替指揮権。紙の端の条項が、想定外の事態で命綱になる。

剣より重い書類で理不尽を裁く。チートなし、武器は条文と段取りのお仕事改革ダンジョンファンタジー!
※全26話 毎日更新
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