『プレスマンを世話する人』
プレスマンの巣箱に、プレスマンが芯を集めていました。プレスマンを世話する人は、プレスマンが集めてきた芯を売って生活していましたから、心からプレスマンをかわいがっていました。
ある日、プレスマンを世話する人が、プレスマンの巣箱をのぞいてみると、プレスマンの芯がごっそりとなくなっていました。誰かに盗まれたようです。万死に値する行為です。
プレスマンを世話する人が途方に暮れておりますと、プレスマンたちが帰ってきました。巣箱の中の、自分たちが苦労して集めてきたプレスマンの芯が、なくなっているのを見ますと、プレスマンを世話する人に向かって一斉に襲いかかりました。ぶすぶす刺しました。
プレスマンを世話する人が、プレスマンたちに、日ごろ世話してやっている恩を忘れて、私を刺すなんてひどいじゃないか、本当に刺すべきは、プレスマンの芯どろぼうじゃないか。
プレスマンを世話する人の言っていることは、間違いない正論でしたが、プレスマンにとっては、どうでもいいことでした。
教訓:耳がない者は、聞く耳を持たない。