裏切りの夜-6
リンはコホンと咳払いをして話始める。
「じゃあ、まず今の現状を確認しよう。
プレイヤー20人のうち、生き残りが9人。
思ったより残っている。
さらにひとつ問題があって、そのうちの5人が今ここに集まってしまっている。
さすがにこの割合はアンドロメダも警戒しているはず。
さらにこの警戒されている中で、カスミとルビーのチップを取るには…よっぽどのビッグマッチが必要。
ベストはシザーとクローレが戦ってくれればそっちに注目が集まる。
マリアでもいい。彼女も人気がある。
二人のチップを取るのに…後処理も含めて5分はいる。
おそらく次のエリア制限は…逆になるはず。」
確信の顔でリンが言う。
「逆とは?」
クインが嬉しそうに聞く。
「真ん中のA,B,Cの地区を開放する。
昨夜の分断から今夜は封鎖。間違いなくこうする。
なるべくエンカウントしやすくプレイヤー全員を集めたいと思っているはず。そして徐々にエリアを狭めていく。」
自分の主張に酔ったリンの口調。
アナがその姿を見て、
「それで?私たちはどう動きますの?」
と厳しい口調で問う。
「ふふ…なぜかわたしにだけ怖いアナスタシア。
そういうとこ好きよ…。」
リンが天才モードに入る。
そう、アナは調子に乗った時のリンを知っているからあえて、皆といるときは厳しく接するのである。でないと話が進まない。
アナの怪訝な眼差しに気づいたリンが、逸れた道から帰ってきた。
一度咳ばらいをしてから、
「一度、二手に分かれる。
わたしとアナ、そしてクイン。
カスミとルビーのグループで。
C 地区の南に集合住宅があるの。
カスミとルビーの二人は、わたしの合図で一気にその場所に行って。
集合住宅の一室だから、監視員に見つかるまで時間稼ぎができる。
同じタイミングでわたしもそこに行くから。
素早くチップを取って、体の脈打つ場所に隠す。
もちろんナイフ使うから後処理も必要。
応急セットを補充しといて。」
と端末の地図を開いて説明をする。
なんとなく不服そうなクインが、
「こっちはなにすんだぁ?」
とリンに問う。
「わたしたちは時間稼ぎをする。
わたしがカスミとルビーのところに行くタイミングが来るまでのね。
もっと言えばクインとアナでマリアを狙う。
バトル配信されれば注目がこちらに向く。
ただシザー、特にクローレとのエンカウントは避けたい。
もちろんわたしがそうならないように誘導する。」
とリンが答えた。
それを聞いたアナが退屈そうなクインに、
「クインさん、これもカスミさんとルビーさんを助けるための作戦ですのよ。
一緒に行動できなくて寂しいでしょうけど、リンをお二人の元に行かすことができれば、貴女のミッションの第一段階は完了です。
一緒に頑張りましょう!!」
と声をかける。
クインはため息をつきながら、
「へーい…りょーかーい…。」
と茶化して返事をした。
「じゃあ、各自が己の仕事を完遂して‼」
リンが最後に皆への鼓舞で締めた。




