裏切りの夜-4
7/28 13:30
リンとアナがB 地区の霞たちの元へと急いでいた。
「てか、なんて治安が悪いのここって!!」
リンが悪態をつく。
というのもギャング同士の抗争で激しい銃撃戦があちらこちらで行われていたからだ。
いったん、物陰に避難して様子を伺い、
「そういう街だから、私たちの大会が成立していますのよ。」
と、アナが冷静に答える。
その返答に反論できないリンに、
「でもクインさんが手助けしてくれるのは想定外の吉報ですわね。」
アナが嬉しそうに言う。
「腹が見えないのよ。あの女の。」
逆にリンは懸念そうな表情になる。
「あら、不服そうですこと。」
アナが見透かしたかのような口調で問い返す。
「だって、どうしたらグリンベレーが介入してくる事態になるわけ?
リスクしかないのよ!?わけわかんない!!」
天才の頭でも理解できない状況に、
「私はなんとなくわかる気がしますわ。」
とアナが何かを察したかのように返す。
「どういうことよ?」
リンが怒った口調で聞き返す。
「私たちと同じってこと。
あのお二人に会った時から、すごく好きになってしまう魅力がありました。
あなたもそうでしょ、リン?」
少し笑みを浮かべてアナがリンをチラッと見る。
「それはそうだけど、そんな単純な理由で首突っ込んでくる話じゃないでしょ!?
もしグリンベレーが、わたしたちを逃がす協力をしているのがアンドロメダにばれたら、あの女だってただじゃ済まないわよ。
なにか企んでいるのか?本当に意味が分からない!!」
リンが苦々しい顔になる。
するとアナが、
「カスミさんは強い。シザーハンズとクインさんとも互角ともいえる戦いを見せた。そしてボマーに対しては見事に瞬殺でケリをつけました。
そんな彼女の魅力は強さとは別にある純粋さ。
真っすぐで実直。性格も本当にいい。
でもその純粋で真っすぐな性格が逆に弱点でもあるの。
だから守りたくなる。
そしてルビーさんも、流石とも言うべき実力。
でもその強さはカスミさんを守るという一点にのみ集約されています。
その愛の深さを目の当たりにしたら、普通の人ならその危うさに気づくでしょう?二人で生き抜くと言いながらルビーさんはカスミさんの命を優先している。
クインさんも私と同じ感情を持ったのだと信じたいわ。」
足止めを喰らっているせいか、アナが饒舌に喋る。
険しい顔で何かを考えている様子のリン。
しばらくすると突然、銃撃戦が止まった。
「とにかく会ってみないと真実はわからない。」
リンはそう言うと再び走り始めた。
そんな姿にクスっと笑ったアナがあとに続いた。




