汚れ無き世界-10
「さて、囲まれたらしいぞ。
で?どうすんだよ天才?」
クインがルビーのイヤホンの向こうにいるリンへ問う。
リンからルビーに周辺の現状が伝えられる。
そして、
「クイン、カスミ、ある程度の情報はリンから聞いて把握した。
まずこの隠れ家の西方向150メートルのところにジンとモニカが少し距離をとって待機している。
もちろん二人は組んでる。
狙いは私。
かなり恨まれてるから間違いない。」
とルビーが説明。
「モニカが?お前なにしたんだ?」
驚いたようにクインが聞き返す。
「この世界にいれば敵が多くなる。わかるでしょ?」
ルビーが簡単に答えるが、これだけで納得できる返答なのがクインの表情でわかる。
「次に北方向100メートルにボマーとジェシカ。
この二人はペナルティー解除のために近づいてきてる。
今、周辺のカメラでトラップが仕掛けられていないかリンが探してくれてる。」
この二人の名前がでた時に霞の目が鋭くなる。
「昨日、わたしたちに爆弾落としてきた人たち…。
絶対に許さないんだから!!」
感情的になる霞をなだめながらルビーが続ける。
「おそらくこの二組が同時に仕掛けてくる事は無い。
むしろお互いの存在も気づいていない。
同じ標的を狙っている人間が他にいるなんて想像もしてないわね。
そこで私から提案したいんだけどいい?」
ルビーが二人に了承を求める。
霞はコクンと大きくうなずき、
「おう、聞かせてみろ。」
とクインはニカっと笑って快諾した。
それを確認してルビーがニコッと笑って話し出す。
「ジンとモニカが先に仕掛けてくるはず。
なぜならボマー側はこちらが動かないと手の出しようがないから。
さて、ここからが本題よ。
私が先手をとってジンとモニカを引き付ける。
こっちから動くよ。
そして事態が動いたらボマーたちも動いてくるはず。
そっちをカスミとクインで対処してちょうだい。
リンから周辺にトラップはないって報告がきた。
おそらく手道具で仕掛けてくると思う。ボマーたちも必死に抗ってくるから注意して。
まあ、カスミとクインが負けるような相手じゃないから、そこまで心配はしてないけどね。」
言葉を選びながら慎重に説明を進めるルビー。
「でも、ルビーが一人になっちゃう…!!」
霞が不安そうに声を上げる。
しかしそれをクインが制して、
「よくわかった。
先制攻撃だな。
気に入った。
わたしもあの手りゅう弾には腹が立っていたところだ。
死ぬまでぶんなぐってやる。」
と言って場を治めた。
それでも納得できない霞の顔を見て、
「カスミ、大丈夫。
私の方がジンとモニカより強い。
それも圧倒的にね。
だから自分の戦いに集中して。」
と言いいながらハグをして安心させる。
「よし、イチャつくのもその辺にして、派手に飛び出していこうぜ!!」
とクインが威勢よく掛け声をかける。
「オッケー!!
じゃあ、行くわよ!!!!!」
ルビーの掛け声で三人は一気に扉を開いて戦いのステージに飛び乗った。




