汚れ無き世界-3
7/28 8:20 C 地区
最初の夜を誰とも遭遇せずに過ごし切ったプレイヤー。
ニューヨーク・マフィアの殺し屋であるアリー。
まさにボスの指示通りの展開で大会を進めていた。
フェアリノ・ファミリーの首領から与えられたアリーへの命令は、高いオッズで優勝すること。
もちろんフェアリノもあちら側の参加者として莫大な金をアリーに賭けている。
ダントツの人気オッズはクローレ。
アンドロメダのサービスとして最低でも2倍の保証が付けられていて、勝った取り分は必ず倍になるよう設定されている。
人気が集中しすぎると2倍を切って1.5倍や、最悪は0.8倍とマイナスになる可能性もある。
コレでは客は面白みもうま味もない。
この措置として2倍保証というサービスをするアンドロメダだが、本当にクローレが優勝すると大赤字である。
それはもう一つのサービスにも理由がある。
それはサブジュゲイトポイントと名付けられたオッズに上乗せされるボーナスの存在である。
現在、クローレは2倍保証によりこれ以上は下がる事は無い。
そして2人のプレイヤーを討伐している。
一人を討伐することで10%のボーナスが加わり、クローレのオッズは2.4倍という事になる。
さらにこのサブジュゲイトポイントは、引継ぎが可能であり、例えばクローレが他のプレイヤーに殺された場合、そのプレイヤーにはクローレの10%と所持していた20%、合計30%のボーナスが加算される仕組みだ。
アリーの現在のオッズは35倍。
アリーがクローレを殺せた場合、オッズが30%増えて45.5倍となる。
自分の賭けたプレイヤーが、たっぷりと栄養を蓄えた獲物を摂取することで、ギャンブル側がより儲けることができるのである。
もちろんこのルールはギャンブル側の参加者が潤うものであり、プレイヤーにとってはなにか恩恵があるわけではない。
恩恵があるのであれば、アリーのように組織に属しているプレイヤーである。
まだアリーのバトルタイムではない。
もっとほかのプレイヤーに食わして、それを一気に刈り取る。
そして自分の栄養分とするのだ。
ニューヨークの死神は再び身を隠し、夜を待つのである。




