ハイルブロンの怪物-4
翌朝、クレアは施設の広場で保護された。
衣服は着ておらず、全身血まみれの姿であった。
しかし、それはクレアの血ではなく、返り血だと一目でわかった。
クレアの手に鮮血に染まった果物ナイフが握られていたからである。
警備兵がクレアの部屋に向かうと、めった刺しにされた叔母の亡骸が玄関で見つかる。
もう一人の住人がいないことに気づいた警備兵はその捜索を開始するが、どこにも見当たらない。
施設中を総員を駆使して探したがどこにもいない。
この施設から出ることは不可能である。
叔母の遺体の傍らに連れてこられたクレアに、事情を聴く警備兵。
黙秘を続けるクレアだが、叔父の事を聞かれるとベッドに向かって指を差した。
そこには何かが燃え尽きたかのような灰が山になっていて、焦げ付いたひどい匂いを発していた。
もちろんそれが人間の燃えカスなどとは思うはずなく、さらにクレアは詰問を受けた。
全ての感情を失ったかのようにクレアはただ大人たちに囲まれていた。
結局、クレアは施設内の独居室に拘束されることとなる。
世の中には悪い奴らがはびこる。
独居棟の監視員のひとりに幼児性愛者がいた。
その男は夜、クレアの部屋に忍び込み、体を触る。
クレアはムクッと起き上がり、自ら服を脱ぎ全裸になった。
そんな積極的なクレアの態度に、男の興奮は最高潮に達する。
そんな男の腕を握り、自らの陰部に指を入れさせた。
クレアの顔を舐め回す男が異変に気付いたのは、己のイチモツが筋を張っていきり立ったまさにその時である。
まるで酸素がなくなったかのように息苦しく、体が燃えるように熱い。
必死にもがく男だが、クレアに掴まれたその腕を振り払えず、子供の腕がまるで何かの拘束具のように力強く指を抜けずにいた。
男は力を振り絞り「助けて」と叫んだ。
それは断末魔の叫び。
その声に気づいた他の監視員たちが集まってくる。
4人の監視員が目にしたものは、すでに男の全身が焦げあがり、灰と化したその瞬間であった。




