月下の約束-1
2050/7/28、2:15
G 地区
リンの誘導でエリアをまたいでの移動に成功した霞。
『南に三人ほどいるけど、そこなら大丈夫。
一旦そこらへんで動向を見て、また指示をだすから。』
リンの少し元気のない声に霞は違和感を覚えたが、
『カスミ、大丈夫ね?怪我ないね?
リンにはこっぴどく怒っておいたから!!』
とのルビーの言葉に納得する。
「ごめんなさい、勝手なことして…。」
むしろ霞が申し訳ない気持ちになる。
「とにかくご無事でなによりですわ。
でも、どうして最後にもう一度攻撃をされたのですか?
カスミさんなら振り払って離脱できましたでしょうに?」
アナが安堵感の声で疑問に思ったシザーハンズへの最後の一太刀について尋ねた。
「あれは、相手の攻撃を見たかったのと受けたかったからです。
次に戦うことになったら参考になるから。」
霞が少し興奮した声で答える。
『それでどうだった?』
ルビーが優しく聞く。
「凄い威圧感、そして凄いパワーとスピード。
防御から攻撃までの流れがすごく奇麗。
今でも弾かれた手がジンジンして痺れてる…!!」
話す霞の声が興奮で高まっていく。
『そっか、次は二人で戦おう。
ね?だからムチャしないで。』
静かな声でルビーが諭す。
「うん…。」
ルビーの声で冷静になった霞が穏やかに返事をした。
そこで突然リンが騒ぎ出す。
『端末を見て!!タイマーが表示された。
制限エリア解放まで3時間40分…。
朝の6時に閉鎖エリアが無くなるってことね!!』
それを聞いたルビーが、
『カスミ!!朝になったら会えるから…それまでがんばるんだよ!!』
元気な声になる。
霞の返事のまえに自作スマホを確認していたリンが再び騒ぐ。
『あーーーーーー!!
そっちに集中しすぎて今度はわたしたちがヤバイ!!
東方向…3キロ先からこっちに移動してくる…
この信号は…クローレ!?』
狼狽えるリンに、
「落ち着きなさい!!
リンはそのままカスミさんのサポート!!
私とルビーさんで防御態勢!!
後退しながら距離を保ちましょう!!」
すでにリーダーがアナに変わっている人間関係。
「ルビー、大丈夫!?」
霞の声に、
『大丈夫!!必ず会いに行くから…!!』
そう言って心配させまいと答えるルビー。
月明かりの下で約束が交わされた。




