天才の誤算-10
2050/7/28、1:15
D 地区
クローレ・プルシェンコが二人のプレイヤーと戦っていた。
ライカは元イギリス政府諜報員、現在は北アイルランド解放軍。
リリーは元フランス特殊部隊で、傭兵組織『国境なき兵団』所属。
6年前に終わった北欧内戦以来の顔見知りだった二人だが、この地で再会。
激戦必至の一日目だけの共闘を約束した。
そして合流してすぐに出会ってしまった前回覇者クローレ・プルシェンコ。
ただこの時点ではライカとリリーに死への不安はなかった。
なぜならプロフィール上でのクローレしか知らないからだ。
だから二人の認識は、前回優勝しているから戦闘能力は高い。
しかし所詮はロシア大統領の横に立つお飾り的な美人将校。
2人がかりなら圧倒できる。
数秒後にこの世を去ることになるライカとリリーではあるが、そんな余裕の感情の中で相手がクローレだったことが唯一の幸運だったのかもしれない。
ライカはハンドガンを二丁使いで連射。
リリーもアサルトライフルを容赦なく撃ちまくる。
そして確実に仕留めたと確信した次の瞬間、自分の腹部に激痛が走り、すぐに意識が飛びそのまま絶命した。
あれだけの弾丸をすべて交わし、たった2発でこの戦いを終わらせたクローレ。
口元に笑みを浮かべながら西へと歩き出した。




