天才の誤算-1
2050/7/27 23:00
すでに戦闘服に着替えている霞。
防弾性のない生地だけに、普段着用しているものより軽く感じる。
クロエが霞の着替えを手伝いながら武器の説明を始める。
「今回支給された刀やクナイは、アンドロメダの子会社であるアンドロメダ・スティール社で製造された超硬力鋼鈑を使用した世界最強の硬度を誇る製品となっております。
刃こぼれはもちろん、折れたりは決してしません。
最新の精密度研磨機によって切れ味も抜群。
そしてカスミ様が普段お使いの刀と長さや重さ、グリップの感触など寸分たがわぬ仕上がりとなっております。」
そういいながら霞の服を整えていく。
「クロエさん、ありがとうございます。」
明るく礼を言う霞だが、すでに戦闘モードの瞳に変わっている。
緋色に染まる鋭く冷淡な眼光。
まさにこの姿こそ霞の真のいで立ち。
クロエの背筋にゾクリと寒気が走る。
しかし、クロエはその姿に逞しさを覚え安心感に変わる。
そして自らのスマホを取り出し周辺地図を表示する。
「カスミ様、ちょっと見てください。
フワレスのエリア外。すなわちこの街の西、2キロ先に小さな集落があります。
B地区の西という感覚です。
集落と言っても、誰も住んでいません。
いわゆる廃村です。
その中の一軒の車庫に車を配置しました。
離脱の際にお使いください。」
スマホを器用にスワイプしながら位置を教え、最後に青いフォードの写真を見せた。
それを聞いた霞はハッと息を飲み、そのままクロエにハグをした。
「朝、打ち合わせって言ってたのって、これを準備してくれてたんですか?」
クロエの心遣いに感謝がこみ上げる。
「これ以上の介入はできませんが、心からご無事を祈っております。」
そういうクロエも強いハグで応えた。
そして…戦いの時刻10分前となり、スタート地点である各々のホテルのロビーでその時を待つ。
第10回バトルフィールドの幕が今まさに上がる!!




