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【休載中】イノセントワールド  作者: 泉水遊馬
Chapter 4
29/121

アンドロメダ-6

二人でホテルに着き、部屋に入るとすぐにコンシェルジュのクロエがやってきた。

「カスミ様、おかえりなさいませ…、ってルビー!?」

同行してきたルビーの姿に驚くクロエ。

挿絵(By みてみん)

「クロエ、久しぶりっ!!」

ルビーの明るい姿に、

「二人とも…会えてよかったね…。」

とクロエは安堵の表情を見せる。

心を開いている三人が揃えば話も盛り上がる。

ルビーがふてた顔をして、

「私のコンシェルジュってどこの部署?

クロエはあの人のこと知ってる?

全然しゃべってくれないし楽しくなーい。」

と愚痴れば、

「たしか南方進撃部隊の事務方…武器調達係の人じゃなかったかしら。

アンドロメダ所属の参加者は馴れ合いを防ぐために、面識のない部署や地域からの職員をつけてるの。

マリアならルビーのコンシェルジュとは顔見知りのはずよ。」

と楽し気に答える。

「クロエさんのアドバイスのおかげでルビーと会えたんだよ。」

カスミが嬉しそうに話すと、

「やっぱりクロエが良かったーーー‼」

とルビーが駄々をこねるふりをして笑っている。

ただ楽しい時間は長くは続かない。

この夜が事実上最後の安らぎのひと時なのだから。

突然、クロエが小声で、

「それで?なにかいい方法を二人で考えたの?」

と聞く。

ルビーはまったくの躊躇なくクロエにすべてを話した。

カスミもそれを止めない。

「マイクロチップをとって離脱する?」

驚愕の作戦を聞いたクロエの眉間は厳しい。

「まあ、どこまでうまくいくかはやってみないとわからないけどね。」

とルビーが言えば、

「最悪は二人で…ね?」

カスミが優しくルビーに確認する。

二人で生き残るか、共に死ぬか。

クロエはルビーとカスミから底知れぬ決意を感じて胸が熱くなる。

「私にできる事は?」

とクロエが真剣な眼差しで二人に問う。

するとカスミは首を横に振り、

「クロエさんを巻き込めない。

たとえうまく離脱できても、それから先も逃亡生活になります。」

と優しくも毅然と言う。

「このことは内緒だからねー。

他の人に言ったらダ・メ・よ。」

ルビーが軽いノリでフォロー入れる。

するとクロエはスッと立ち上がり、

「言うわけないでしょ‼」

と声を荒げた。

驚いたルビーは、

「あ、ごめんクロエ。そんなつもりじゃないの。

信じてるから話したんだよ。だから怒らないで。」

と自分のジョークで怒らせてしまったことを詫びる。

「わかってる‼怒ってない‼」

と思い詰めた表情でさらに声のトーンを上げた。

そして、

「私も一晩、冷静になって考えます。

明日の朝、朝食で会いましょう。

では…おやすみなさい。」

そう言って部屋を出て行った。

「カスミどうしよう…。

クロエを怒らせちゃった…!!」

ルビーが動揺している。

だがカスミは冷静に、

「クロエさんはルビーに怒ったんじゃないと思う。

凄く優しい人だね。あの人に会えて本当に良かった。」

と静かにしみじみと答えた。

ルビーもその言葉の真意を理解しコクンと頷いた。

その夜、二人は離れることなく抱き合って眠った。

戦い前夜の静寂。

2人が一緒なら怖いものはない。

そんな寝顔のルビーとカスミであった。

挿絵(By みてみん)

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