復讐の女神-8
夕方、四人の話し合いが終わり、霞とルビーが部屋を出た。
二人を見送るリンとアナがソファーに座り話し出す。
「あのお二人と仲良くなれてよかったわ。」
アナが嬉しそうに言う。
「そうね。本当にいい娘たちね。」
リンも咥え煙草で答える。
「心が痛むわ…。」
アナの表情が悲しみに変わる。
「別にアナが責任を感じる必要はない。
確かにわたしたちの計画に二人を利用することには違いない。
でも、どんなことをしても約束は守る。
だからなんとしても次の夜まで生き残らないといけない。
アナ…これはわたしたちの復讐劇。
もうその舞台からは降りられない。
だから迷いは捨てて。いい?」
リンのきつい口調にアナも言い返す。
「わかっております!!
でも…あのお二人を裏切りたくはありませんの!!
あの瞳。まっすぐに抗う強き意志。
私たちのような者にでも縋るしかない愛の深さ。
そしてお互いを思いやる優しさ。
絶対にルビーさんとカスミさんには生き残ってほしい!!
貴女だってそう思うでしょ!?
そうでないのであれば最低な女ですこと!!」
過激な口調のアナの表情には必死な訴えを感じさせる。
「だから約束は守るって言ってるじゃない!!
わたしだってあの二人を気に入ってる!!
ただ最悪の事態を想定した時に何を優先するのか⁉
アナ…あんたブレてない?
なにしにここに来たの!?ねえ、アナスタシアァッ!!」
すでに喧嘩へと発展したリンとアナ。
「最悪の事態で死ぬのは私たち二人よ、リン。
あのお二人の犠牲の上で成り立つ計画なんてないの。」
アナはそういうと静かに部屋を出た。
苦々しい表情で見送るリン。
(けっきょく一番の問題はアナの優しさだったわけね。
わたしとしたことが…まさかの想定外。
猿も木から落ちる…。
人の感情まで方程式には組み込めない。
いい勉強になったわ。)
リンはそう思うと表情が穏やかになっていた。




