復讐の女神-6
「じゃあ、仕切り直して。
さっきも言ったように、最初の夜で半分弱が消えると予測できる。
ここが第一の関門って考えてもいい。
だからこの4人が必ず生き残るために、開始直後から集合して乗り切る。」
と、一気にリンが話す。
「いきなり全員集合?
これじゃあ、すでにバレているとしてもアンドロメダに対して徒党を組んでいるのがあからさますぎるわ。」
ルビーが疑問を呈す。
霞もうんうんと頷く。
それをリンが否してから話を続ける。
「前回もそうだったけど、最初はある程度のグループができるの。
狭い世界だからね。顔見知りも多い。
今回もわたしが確認しているだけでも3つグループが出来上がっている。
アンドロメダの爆弾娘と黒人スパイちゃんの2人組もなにやら企んでるみたいよ、ルビー?
まあ、最終的にはお互いで殺し合うことになるんだけれど、最後の舞台に残るまでの最善策と言える。
だからアンドロメダに何と思われようがこの時点では関係ないってわけ。
そして我がチームにおいては戦闘面でひとり致命的な足手まといが存在する。
そう、わ・た・し。
銃の扱いには慣れている。
でも、あなた達に比べたら戦闘能力はゼロ。
今回の参加者の中でも間違いなく一番弱い。
だってわたしの武器はココだから。」
といってリンは自分の頭をチョンチョンと指でつついた。
その言葉を聞いてルビーが噴き出す。
「それって『わたしを守って』って聞こえるんだけどぉ!」
笑顔になったルビーに、
「やっと笑ってくれたわね。
でも実際その通りよ、ルビー。
この作戦でわたしの存在は必要なはず。
だってわたしが死んだらマイクロチップ取れないでしょ?
だから全力で守ってね。
ただ自分の身に危険を感じたら、そっちを優先してもかまわない。
生き残ってこそ掴む希望なんだから。」
ニヤけ顔でありながら堂々と言い放つリンの姿を見て霞が反応する。
「絶対に守り切ります。
だってリンさんが死んじゃったら、ルビーを助けられないもん…。」
と、真剣な顔で決意を述べた。
ルビーは優しくため息を吐いて、
「お互い様ってことね。いいわ、信用して守ってあげる。」
と協力関係を約束した。
「素晴らしいお二人ですわ。
貴女たちに出会えたことを神に感謝いたします。
それでリン。その後のプランは?」
アナのうながしでリンが続ける。
「夜が明けたら二手に分かれる。
夜と違い昼間は動きが少なくなるから、固まっているより分かれて休息をとっておきたい。
そして夕暮れにそのまま揺動プロジェクトを実行する。」
「何そのプロジェクト?」
ルビーの問いに、
「クローレとシザーを戦わせる。
2人の位置はわたしが把握しているから、イヤホンで指示をだす。
昼間に二手に分かれるのはその時のためでもあるの。
お互いを刺激してわたしの決めたポイントまで誘導して鉢合わせにする。
その後は素早く退避、合流してあなたたち二人のマイクロチップを取る。
ここまではいい?」
リンの説明に難色を示したのが霞だ。
「クローレはわたしが…!!」
この反応はリンは覚悟していたようで、
「カスミ…ルビーと生きていきたいんでしょ?
なにが優先か冷静にちゃんと考えて。」
とあらかじめ用意していたかのように答え問う。
言い返せない霞。悔しさで体が小刻みに震えている。
そんな姿を見てルビーが違う視点でリンに聞く。
「マイクロチップをどこで取るの?
街中にカメラがあって監視されているのよ?」
この言葉にリンのドヤ顔が炸裂する。
「死角はないってふれこんでるけど、果たしてそうかしら?
確かに街中や路地という路地には死角はないでしょうけど、この街の住人すべての家にカメラがついているとでも?
もちろん建物の中に入って死角ができたところで治安部隊がやってきて外に出るように脅される。
でもクローレとシザーのマッチアップをすることで、注目がそこに集中する。
そのための揺動プロジェクトなの。
わずかな時間だけどわたしたちは誰にも見られていない状況になるわけ。
場所もいくつかピックアップしてある。
そこまでちゃんと誘導するから安心して。」
この答えはルビーの想定通りだったのでそれ以上は突っ込まない。
ただ霞が落ち着く時間が欲しかった。
「まあ、すんなりここまでうまくいくとは思っていないから、その時の状況によってフレキシブルな対応も必要。あくまで本筋の作戦がこのあらすじ。
この後の展開は、ここまでたどり着いた時に判断したい。いい?」
そういってリンは言葉を締めた。




