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【休載中】イノセントワールド  作者: 泉水遊馬
Chapter 3
20/121

復讐の女神-5

「さて、話はまとまったかしら?」

頃合いを見て部屋に戻ったリンが、ルビーとカスミへ交互に視線を合わせる。

アナもそっと隣に座り答えを待つ。

「答えなんてとっくに出ているわ。

ただカスミと意思疎通をしたかっただけよ。

話を進めましょ、リン。」

ルビーは先程と違って温和な態度で答えた。

しかし眼光は変わらない。

「ありがとう、ルビーさん、カスミさん。」

アナが目を細くして喜ぶ。

「それじゃあ、作戦会議と参りましょう。

まず大まかなルールは理解していると思うから、その辺は省略して進めるわよ。」

リンの言葉にカスミの顔も引き締まる。

ルビーは目を閉じて腕組みをしながら静かに聞いている。

「まず、前回の大会の流れの統計をすると、開始直後から夜明けまでの時間で6割に人数が減っている。」

リンがお手製のスマホを見ながら説明する。

「前回の統計って…どうしてそんなことがわかるの?

極秘の大会なのよ?」

もちろんルビーが噛みつく。

「わたし見てたもの。」

簡単に答えるリン。

「はぁーーー!?見てたですって?

私たちアンドロメダの人間ですら見ることができないのに、どこで見たっていうの?」

ルビーの驚きの姿を見ながらリンはアナを指さす。

「アナの家で見てたのよ。意味わかるでしょ?」

その言葉でルビーは納得したようで、

「そう言う事ね。わかった。続けて。」

と再び沈黙モードに戻った。

だがこの場でひとりだけ理解できないカスミがアナの顔を凝視する。

それを察したアナが、

わたくしの母が、いわゆる向こう側の参加者でして、リンとわたくしもその場で配信を見ていました。」

と、説明を加えると、

「皮肉な物よね、5年前は見ている側だったのに、今は見られる立場。

滑稽こっけいでしょ?笑えて来ちゃうわ。」

リンも鼻で笑い補足する。

「それじゃあ…兄の最期も見てたんですか?」

カスミが恐る恐る問う。

「ええ、素晴らしいサムライだったわ。」

とリンが素直に答える。ジワリと涙が浮かぶカスミ

「カスミのクローレへの復讐心もすべて知ったうえで誘ってきたのよ。」

とルビーが冷たく言う。

するとアナが優しく反論する。

「確かにご事情は知っておりました。

しかし、それがお誘いするきっかけではございませんの。

共に生き抜く精神の持ち主ではないと、共闘はできません。

おふたりの深い繋がりこそわたくしたちが求める仲間・・です。

そこだけは信じてくださらないかしら…?」

胸に手を当てて誠意を伝えるアナ。

するとルビーがカスミの肩をそっと抱いて、

「大丈夫?落ち着いて。」

と諫めるが、カスミは首を横に振って、

「兄を褒めてくれて…ありがとうございます。」

感謝を口にした。

少し静かな時間を感じた後、

「このまま話を続けてもいい?」

とリンが聞く。

カスミは力強く頷き、その姿を見たルビーも安堵の表情でゆっくり頷いた。

挿絵(By みてみん)

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