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【休載中】イノセントワールド  作者: 泉水遊馬
Chapter 3
19/121

復讐の女神-4

カスミが心配そうにルビーの顔を覗き込む。

「疲れたぁーー。ちょっと休憩させて。」

ルビーがいつもの優しい笑顔でカスミと目を合わせた。

ついさっきまで厳しい表情であったルビーの豹変にカスミは困惑していた。

するとルビーがカスミの顔をジーっと見つめだす。

「え?どうしたの?」

カスミのうろたえに、

「なーんか…変な感じ。」

とルビー。

「な、なにが…?」

動揺しかないカスミは目をそらす。

「カスミってわかりやすい。すぐ顔に出ちゃう。」

ルビーはそう言うと、目線で逃げるカスミと目を合わせるように茶化したようヒョイと顔を左右に振ってに遊びだした。そして、

「カスミ?今思っていることを言って。」

ルビーが優しく聞く。

カスミは少し考えて、たまったストレスを吐き出した。

「ルビー、なんか怖いよ。

リンさんやアナさんは友好的に話してくれるのに、ルビーだけ喧嘩腰でさぁ…。

凄く挑発的でイヤな感じだよ?

そんなルビー見たくないよ…。」

カスミの言葉にルビーは、

「そっか、カスミに嫌な想いをさせてごめんね。でも、これには訳がある。

聞いてくれる?」

といってコクンとうなずカスミの頭を優しく撫でた。

挿絵(By みてみん)

「まず私とカスミの立ち位置を確認しよう。

まず確定していること。

それはリンが用意している船に乗るしかない。

現状、二人で生き残るための選択肢がひとつしかないの。

もちろん泥船の可能性も高い。

これは賭けに近い。

でも残りの時間を考えると、今から新しい策を私たち二人で思案することは難しい。

そしてリンは、私たちの状況や思惑をすべて理解している。

ここまではいい?」

再びコクリと頷く不安げなカスミに、ルビーは笑顔で応えて話を続ける。

「ここまで私が強い態度で構えていた理由。

リンがずっと話したがっていた具体的な策、まあ作戦ね。

それを遮るため。言いかえればそれを避けるためってこと。

それはなぜか?

まず確実なのが、私とカスミは駒として動かされる。

リンの指示のままにね。

さらに言うとその指示に忠実に従わなければならない。

だから本題に入る前に下地を作っておきたかった。」

ルビーの言葉に、

「下地?」

と、カスミが聞き返す。

「そう、私たちが従順な駒ではないって印象つけたいのがひとつ。

欲を言えば、リンが私たちは裏切らないって確信をちょっとでも疑念に変えられれば理想。

そして本題を聞いた後に、少しでも矛盾があれば異議を言える立場にしておきたい。この作戦から脱退する意思をちらつかせて優位に立てる事もできる。

リンは私が交渉術に長けてると大げさに褒めてるけど、実際は苦手分野。

もちろんリンも気づいてる。

だからこうやって人格から演じていかないと本質がバレちゃう。

いくら情報戦のプロでも私の本当の性格までは見抜けるはずはない。

これでも悪名高きアンドロメダの上位傭兵なんだから。

も~う、私だってがんばってんだよ~、カスミ~~~~。」

最後はおどけて見せるルビーに、

「そうなんだ…。

そんな風に考えてたんだ…。

わたしなんてなにも知らないでルビーにひどい事を言っちゃった…。

もう戦いは始まっているんだよね…。

ごめんなさい…。」

今にも泣きそうな表情でカスミが謝る。

ルビーは優しい眼差しでカスミの頬にそっと触れた。

「カスミ、そんな顔しないで。

だってカスミは何も悪くないんだもの。

まっすぐで純粋なカスミが私は大好きなんだよ。

わたしがこんな事をしてまであらがっているのはね…

この先もず~~~~っとカスミと一緒にいたいからだよ。

そのためにはどんな手だって使うよ。

逆に利用してやるぐらいでいないと。

いいカスミ?信じあえるのは私とあなただけ。

それだけは忘れないでね。」

ルビーの言葉に、

「うん!わかった!」

と、力強い眼差しでカスミは答えた。

「ありがとう。

じゃあ、二人が戻ってきたら本題に入ろう。

その作戦とやらを聞いてやろうじゃない。」

そう言ったルビーの顔が再び険しいものに変わった。

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