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47.転生魔王の悪巧み 其の三

 我が内臓のダメージから回復した時、王太子が自室に軟禁されたという噂が耳に入った。

 どうやら愛しのレイア嬢を追いかけ回した事が良くなかったらしい。

 ジェームズは王太子とレイア嬢が恋仲であると認識していたようだが、どうやら違ったらしい。

 まあ学院内の大半の生徒は、ジェームズと同じ勘違いをしていたようだが。


 ともあれ、国王から罰を受けた王太子の求心力・影響力は大きく落ちることになるだろう。

 これでは王太子に媚を売っても仕方ない……とはならない。


 なぜなら現在、国王と王妃の間にいる子ども────王位継承権を持っているのは王太子しかいないからだ。

 多少のお咎めを受けても、依然として王太子が次期国王であることに変わりはない。

 であれば、これまでと変わらず王太子に付き従って重宝されるようになった方が良い。

 精神的に参っていた時に支えてくれた者というのは、後々に取り立ててもらえるものだしな。


 とはいえ、なんの力も持たない我では出来ることは少ない。

 そもそも王太子が軟禁されている王城の内部まで訪ねていくことも出来ぬ。


 どうしたものかと頭を悩ませていると、騎士団の本部から父────伯爵が戻ってきた。

 我の器であるジェームズの父親である伯爵は王国騎士団の前団長だ。

 その影響力は未だ根強く、一線を退いた後も剣術の指南役として度々騎士団に出向いている。

 ジェームズの父親らしく野心家で、再び表舞台で活躍して名声を得ようと躍起になっている。


 恐らくだが、ジェームズが『聖女』の婚約者候補となれたのは、父の騎士団長としての功績のおかげであり、また『聖女』の名を使って伯爵家の名声を高めようとした父親の打算もたっぷり含まれていたのだろうと思う。

 そんな父が、顔色を変えて衝撃の事実を報告した。




 聖女が、懸想中の男と駆け落ちした。




 しかも、その相手が王太子を虜にしているレイア公爵令嬢の婚約者だというから驚きだ。

 ………………というか恐らく、我の股間と腹部に大打撃を与えたあの身の程知らずの事だろう。

 とにかく、男女3人で馬車を走らせて王都を脱出したという知らせを父は持ってきたのだ。


 もはや一刻の猶予もない。

 伯爵家と我、魔王の望みは聖女にジェームズの子を産ませること。

 他の男と手の届かない場所まで逃げられてしまっては、すべてが台無しになってしまう。


「なんとしても聖女を取り返せ。少々手荒い真似をしても構わん!」


 父の言葉に頷く。

 前騎士団長である父を慕う王国騎士団えりすぐりの騎士たちが、我の前に跪いた。

 ドラゴンを倒したこともあるというヒト族にしては優秀な駒だ。

 我の指揮の下、『聖女』奪還作戦が始まったのだった。


 まずは王太子を迎えに行く。

 ただの一端の貴族である伯爵家が単独で暴走したとなれば、最悪の場合、お家取り潰しになりかねない。

 しかし王太子の命令に従ったとなれば、そして聖女の伴侶である『聖騎士』になったとあらば、そこまでの重罪には問われないだろう。

 むしろその先の未来で得られるメリットの方がはるかに大きい。


 問題は王太子がこの作戦に乗ってくるかだが、問題ないだろう。

 なにせ、駆け落ちしている者の中には王太子の想い人であるレイア嬢もいるのだから。


「行くぞジェームズ、レイアを救出するんだ!」


 頭がめでたい王太子は、未だに自分が嫌われているとは思っていないらしい。

 おとぎ話に出てくる白馬の王子様気取りで意気揚々と馬に跨る王太子に返事をして、騎士たちに指示を出す。


 そうだ、ついでだから城下町の食堂で働いている聖女の母親も連れてこい。

 聖女の身柄を拘束する際の人質に使えるかもしれないからな。


GWの旅行に行ってくるのでしばらくお休みです。

ついでに厄払いもしてきます。

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