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16.チョコが痛い

 腕ひしぎ十字固めを受けている最中にこんにちは。

 リュート・タナベ男爵令息です。

 助けてくれてもいいのよ?


「この浮気者ーーーーっ!」

「みぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 取れちゃう! 俺の右腕が取れちゃうよぉ!


「やっぱりオッパイか!? オッパイ大きくないと駄目なのかー!?」


 肘はそっちの方向には曲がらないよレイアさん! このままだと俺の腕が複雑に絡み合う知恵の輪みたいになっちゃうよ!


 ゴキンッ


「あ、やべっ」


 ゴキンッ


「ヨシ!」


 ヨシじゃないが。

 え? 1回、俺の肩外れてなかった? 外して戻してなかった?

 めっちゃ痺れて感覚ないんだけど、大丈夫だよねこれ?


 ひとしきり俺をフルボッコにしたレイアは、ふぅと息を吐いて額の汗を拭った。

 いやなに一仕事終えたみたいな感じだしてんだよ。


「反省した?」


 何を?

 久しぶりに顔を合わせたと思ったら暴力振るわれて上に馬乗りになられてる現状、何をどう反省したらいいのか分かりかねるんだが?


「私以外の女とイチャイチャしてたことに対する反省だよ」


 ……あぁ、アンズのことか?

 アンズはバイト先の店長さんの娘で、ただの友だちだよ。


「嘘だっっっっっっ!!!」


 カナカナカナカナ……。

 いや、今は冬だから。ひぐらし鳴くには早すぎる。


「男女の間に恋愛感情なしの友人関係なんて成り立たないんだ!」


 わぁお、すごい偏見。

 そんなことないと思うよ? 同じ夢を持つ同志だとか、同じ趣味を持つ仲間だとか、そういう理由で友だちになる人も少なからずいるでしょ。


「最初はそうでも、一緒に過ごしていく内にだんだん「あれ? この人イイな」って自分の気持ちに気付いて意識するようになって、そこからボディタッチしたりお弁当作ってきたりして2人の仲が縮まった頃にお泊まりに行って、美味しいごはん食べてお酒飲んで良い雰囲気になったらベッドインして人生の墓場にゴールインするんだ!」


 何そのちょっと具体的な妄想。


「返せよー! 私のリュートを返せーーーーっ!!」


 ヤバい、なんか妄想の中で俺が寝取られ始めた。

 大丈夫だから。俺とアンズはそんな関係じゃないから。

 2人でお泊まりしたこともないし、まだ未成年だし、お酒も飲んだ事ないから。


「でもチョコとかお弁当はもらってたよね?」


 チョコはもらったけど義理チョコだし、お弁当はアンズの手作りじゃなくてアンズのお母さん特製弁当だから。


「私のチョコはもらってくれなかったのに?」


 いや渡されてないですしおすし。

 あんた王太子殿下にチョコあげてたじゃん。

 見てたよ、顔真っ赤にして照れちゃってもう可愛い。どれだけ好きなんだよ、ジェラシー感じてビクビクしちゃう///


 というか、日頃から王太子殿下とイチャイチャしてるレイアに、俺とアンズの関係を邪推されたくないんですけど?

 いや分かる、分かるよー。金も地位も名誉もない貧乏貴族の小倅よりも、この世のすべてを持ってる王子様を選ぶのは当然だよねー。

 レイアの気持ちはよく分かってるから、名前だけの婚約者に構ってないで、好きな人とくっついてろよ。


「いや私、王太子のこと嫌いだけど」


 ………………マジで?

9話と14話を投稿し忘れていたので、差し込み投稿しました。

ミスしてごめんなさい。

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― 新着の感想 ―
[一言] 追加投稿いただいたエピソードと併せて読ませていただきましたが、聖女判定のあれこれはリュートのフィジカルモンスター振りによる勘違いという気も……。 ただ、読み返してみるとユードリックの股間を治…
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