表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/100

ディートパーティーに出席する


「あれ? ディート最近婚約者とランチしてないんじゃない? いいの?」


 いつもの通り友人達とランチをとる。その中にシアもいる。経営コースに女子は少ない為、シアはマドンナ的存在。


 シアの家は伯爵家でうち(子爵家)よりも格上。シアはまだ婚約者がいないようで、子息とも距離が近く黒髪で綺麗なシアは年齢よりも大人っぽい雰囲気、堂々としていて美しい。



 ルビナは可愛いし守ってやらないといけないと思わせるがなんせ大人しすぎる。

 僕以外の子息と話している姿も見た事がないから僕に依存されても困る。

 もっと周りを見て友人を増やせば良いんだ。話も特に面白くはないし盛り上がるわけでもない。クラスで浮いているんじゃないだろうか?

 本や花の話、ハンカチに刺繍を入れる際には何柄がいいかなんて興味がないし、なくても良い。使えれば良いんじゃないか?



 ルビナは甘いものが好きだ。女の子というのはそういう生き物だと思っていたが、シアは違った。


 女の子は皆パステルカラーが好きだと思ったら、シアは違った。


 経営コースは男ばかりなのに、それに混じってわいわいと話をしている。


 ルビナだときっと話は続かないだろうし、萎縮して輪にすら入ってこないだろう。




「ねぇ聞いてるの! ディート!」


 シアが呆れた様子で声を掛けてきた。


「悪い。なんの話?」



「イアンのバースデーパーティーの事よ。パートナーは婚約者の子?」


 ルビナはしばらく外出禁止なんだそうだ。母に何かあったの? と聞かれ“知らない”と答えた。その時の母の顔が印象に残っているのだが、それ以上はお互い何も言わなかった。



 街歩きの時におばさん(ルビナの母)が暗くなる前に帰ってこないと街歩きは禁止。と言っていたから暗くなってから帰ったのか? そういえば何時にルビナが家に着いたのか知らないな……報告がなかったし。



「いや。ルビナとは行かないよ」


「そうなの? それなら私のパートナーになってくれない? 一人で行くなんて寂しいじゃない?」


 僕はこれに快諾した。ルビナが居てもいなくても、どのみち一人で行くつもりだった。ルビナには()()()()僕の友人のパーティーだからな。


 プレゼントもシアと二人で購入をしたし、一緒に渡すのだからパートナーをしても問題はない。そう思った。



******


「イアン! ハッピーバースデー!!」


 イアンは伯爵家の令息で主役はイアンだから参加者は主にイアンの友人だったりつながりのある家が招待されているようだ。


 プレゼントを沢山渡されていた。


「イアンおめでとう! これ私とディートからよ」

 

 パトリシアからイアンに渡された。



「開いていいか?」


「「もちろん」」


 丁寧に包装を解いていくイアン。そしてプレゼントの財布を取り出した。


「キャンベルの新作ウォレット! 欲しかったんだよ。二人ともありがとう」



 イアンは喜んでくれたようで大事に使うよ。と言った。


「パトリシアは皆と仲がいいが特にディートとは仲が良いんだな……」


 イアンはディートを心配しているようだ。


「そう? 皆同じ友人よ。クラスの皆と過ごすことが多いだけだもの」



 そのクラスの皆の中には婚約者がいる者がいて最近はパトリシアを避ける者も中にはいる。どうやらパトリシアの距離の近さが婚約者の逆鱗に触れたようだ。

 パトリシアは婚約者のいる子息と仲良くしていても友人だもの。と言えば許されると思っているように感じた。



 クラスには他にも女子生徒がいるがパトリシアは挨拶くらいで話す事はない。パトリシアはマドンナ的存在だ。と誰かが言ったが果たしてそうだろうか?



「今日はルビナ嬢がいないんだな」


 ルビナ嬢と話をしたいと思っている令息は密かに多い。同じ一般貴族科なのにコースが違うだけで校舎まで違うとなると、そうそう会う事はないし食堂に来ることもない。図書館でたまに姿を見る。と友人が言っていたが、図書館で声を掛ける事はできないし接点がない。


 接点と言えばディートだが、ディートの友人だ。と言って声を掛けるわけにはいかない。だからどうした? と言う顔をされるのが目に見えている。


 今日バースデーを迎えたから私は大人の仲間入りで社交界デビューだ。


 今月末ルビナ嬢もバースデーパーティーを開くと聞いた。令嬢達が沢山集まり華やかなパーティーなんだろうと思う。ディートが羨ましすぎる!

 


 しかし当の本人(ディート)は、先日ルビナ嬢に暴言を吐き影では暴言男と呼ばれ、女子生徒からは虫ケラでも見るような目で見られているようだ。うちのクラスには男が多いから気にしてはいないようだがディートってこんな奴だったか?



 ランチをルビナ嬢と一緒に過ごし仲良くしているように思えた。しかし最近は私たちと一緒に食堂で食べている。食堂の食事よりルビナ嬢が用意してくれたものの方が断然に良いだろうに。

 


 ルビナ嬢が友人達と中庭でランチをする姿を見たことがある。サンドイッチやサラダ、フルーツを持っていたがどれも見た目が華やかで美味そうだった。ディートにそれを言うと“毎日だと飽きるだろ”と言った。

 


 ディートってこんな嫌な奴だったのか……と私は一緒にいた他の友人と目が合った。



「婚約者がいない私達には分からないことなのだろうか?」

「婚約者が学園にいたら俺はお前らと一緒に飯なんて食わないぞ」

「休憩中くらい婚約者に癒されたいよな」



 と言って笑っていたのだがディートはランチを一緒にしないのは罰だとか言っていた。意味がわからない。


******


 ↑途中から(ディートとパトリシアが参加したクラスメイトイアン視点です)分かりにくくてすみません。

 

 

挿絵(By みてみん)


7/8に発売となりました。

ウラシマ先生のイラストも必見です☆

書きおろしSS・一万文字越えの加筆もあります。

よろしくお願いいたします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ