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ジェイが呼ばれた訳


~ジェイ~



「ジェイ様、マルクから聞きましたよ。ルビナさんと仲が良いのは良いことですが、子供の前では控えてください!」



 マルクのやつが何か言ったのか? 自分がルビナと出掛けたいだけだろうな。



「マルクめ、余計なことを。しかしいつもの通りですよ」



「そろそろルビナさんのドレスのデザインを教えてくれないと宝飾類が間に合いませんよ! 宝飾類は侯爵家から用意させてもらうことに決まったんですからね」



 全部用意すると言ったのに、うちもルビナの家も何か用意したいと言い、ルビナの家はベールを。宝飾類はうちから、という話になった。


 ベールはルビナの母上がレースにしたい。と言ってレースをルビナのために編んでいるのだそう。ルビナは喜ぶだろうなぁ。


 かたや、侯爵家の女性達はというと……


『結婚式なんだから豪華にしましょう』

『絶対ダイヤモンドよ』

『それなら全部ダイヤモンドで統一する?』


 そこまではよかった。侯爵家で用意するのだから金の心配はいらない。父と母が出してくれるそうだ。



『これ、凄いわよ?』

『わぁ。本当ですね、これなら目立つこと間違いなし! だって主役ですもの』


 どれどれ? と実物を見ると確かに凄い……実際に手に取ると重くて敵わない。


『却下です! こんな重たい物をつけると肩が凝るし頭は重いし耳も伸びてしまいますよ!』


 主役はルビナなのに、ダイヤモンドが大きすぎる。ルビナは小柄なんだからこんな大きなものはいらない。



『一生に一度の事なのにケチってどうするのよ! え? まさか……二度目が』


『怒りますよ?』



 などといったやりとりがあり私は怒って帰ったのだ。



「これ、デザイン画です」


 ドレスのデザインを見せないと、無駄に派手にされてしまう。あくまでもルビナがメインだ。


「まぁ、可愛いわね~! ルビナさんのイメージよ!」




 そうだろうとも! デザイナーと何回打ち合わせをしたと思うんですか? 細部にまでこだわったルビナのルビナの為の世界に一着だけのドレスです!



「ティアラは侯爵家のものを使いましょう。ハドソン侯爵家に嫁ぐ時は皆使っていますから、一族の証です」



「はい。お願いします」


 このティアラは侯爵夫人が使用許可を出さないと使えないものだ。二人の兄の妻もティアラをつけていた。知るものは知る侯爵家の宝の一つである。



「この前は反省しています。ルビナさんは妹のようで可愛いのに全然参加させてもらえないものだから、つい皆でせめて宝飾類だけは! と意地になってしまいました。ドレスに合わせた最高級のものを用意すると約束します」



 義姉上が笑っていた。みんな私たちの結婚式の準備を手伝ってくれるというのに、全部自分でしようとしていた。ルビナの意見を聞いたら、重たくないものが良い。と言うし、ドレスはどんな感じがいい? と聞くと、照れながら私に選んで欲しい。と言った。


『ジェイ様の方が私の好みを知っているから、ジェイ様に任せた方が良いものが出来そうですね』


 って可愛いが過ぎる! だから張り切りすぎてしまったのだろうか……


 家具などはルビナの好みそうなものを何点か用意させて選んでもらっている。ルビナの悩んでいる姿の可愛い事といったらない!



「結婚式はガーデンパーティーにしたいからと春にするんでしょう? あのバラが咲き誇る時期ですものね」



 あのバラに名前はなかった。この機にルビィーホワイトと言う名をつけた。ルビナを別の国の呼び方にした。


 ルビィーなんだか、ホワイトなんだか、色合いが分からない。と言われたが“ルビナという白いバラ”だよ。と言ったら爆笑されてしまった。



「えぇ。庭園を整えたいのでしばらく植物園は休園としますが、リニューアル後はまたきてくれる人達が喜んでくれるようにしますので、そこは内緒にしておいてください」



 植物園でのガーデンパーティーとしかまだ言っていないが、とても喜んでくれた。ルビナは植物園をとても気に入っているからね。




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