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お友達です


「え? 私ですか?」


「うん。突然で悪いけれど来月なんだ。もうルビナちゃんとは友達だから、ジェイと来てよ」


「……あの、ロイヤルファミリーが集まるような結婚式には私の身分では無理ですのでお言葉だけ頂きます」

 

 元王子と言うことはロイヤルファミリーの出席は間違いない……身分が違いすぎます!



「俺の相手は伯爵家の令嬢であっちの親戚は子爵家も男爵家もいるぞ? それに俺は側室の子だから城でパーティーもしないし、王族を抜けて楽になったんだ。式には陛下や母が来るがその後は自由にしていいと言われているから気軽なパーティーをする。ジェイが一人寂しく参加するのは可哀想だから、一緒に来てやってよ」


 気軽なパーティーと言っても……


「それは……私の一存では決められませんので、一度家に持ち帰りたいと存じます」


 勝手に決められる問題ではありませんよね。外出するときは両親に許可を取らないといけません。



「分かった。私が子爵を説得しよう! ルビナ嬢安心したまえ!」


 ……侯爵様まで出てきたらうちの立場では断れないのではないでしょうか?



「父上、ルビナ嬢の気持ちを聞いてからにしてください。父上まで出てきたら断れないじゃないですか」


 ……ハイ無理ですね。



「なぁに、船に乗って一日だから近いもんさ。招待状渡しておくよ。うちの国にはゴリラのように屈強な奴が沢山いるから動物園に迷い込んだ気分になれるぞ!」


 ……動物園。



「レオナルド! 勝手に話を進めるな!」


「おぉ。こわっ!」


 ジェイ様は怒るとレオ様の事をレオナルドと呼ぶそうです。


 その後侯爵様ともお話をしたけれど、何を話したか覚えていない。目まぐるしい一日だった。



 ******


「ルビナ、何があってこうなったか説明してしてくれるか?」


 お兄様とお母様に呼ばれてしまいました。


 簡単に説明すると、ジェイ様のお友達とお友達になって結婚式に呼ばれた。そのお友達は身分が高い方で断ろうとしたら侯爵閣下(ジェイの父)が出てきて断れなくなった。


「簡単に説明しすぎだろ! レオナルド殿下の挙式となると陛下も参列されるだろう……そんな席にうちのような家門が?」



「その……身分は関係ないようですけど……レオ様のお相手の方は伯爵令嬢で親戚は子爵家や男爵家もいるそうですし、学園時代の友人は貴族ではない方もいるとか言っていました……私の一存ではお答えできませんとはお答えしたのです」


 あ……泣きそうです。グスッ。



「……ルビナ、悪い。怒っているわけではないんだ。ただあの国へ行くには数日かかるだろう?」

 

 ……数日? レオ様の説明とは違います。首を傾げる。



「家を出て港町で一泊、船内で一泊、道中で一泊若しくは二泊、天候によってはもっとかかるかもしれない。気候は良いから大丈夫だと思うがそんなに長い間、ハドソン卿と旅するというのが心配なんだ……」


「レオ様はそんな事言っていませんでした。近いものだとばかり……」



「途中の行程が抜けているんじゃないのか? ドレスや小物も新調しなくてはならないし学園は長期休暇に入るから良いとして」


「すみません……調べれば良かったです」


 しゅんと肩を落とすとお母様が言った。


「ルビナここまで来たら行くしかないのだから、せいぜい楽しんできなさい。リリにもついて行って貰いますから安心なさい」


「お母様、すみません」



 お父様にはお母様から連絡をするようで、ジェイ様には行きます。と手紙を書いたし、レオ様にも招待を受けますと書いた。


 ジェイ様からは“今週いつでも良いので学園が終わりましたら、私の店に来てください”と返事を貰いそれでは二日後に。と返事をした。その日は早く帰れる日だった。


 学園の制服のままジェイ様のお店に行く。


「こんにちは」


「こんにちは。急にお呼びたてをしてすみませんでした。時間がなかったものですからお許しください」


 ……今日じゃない方が良かったのかな?


「日を改めましょうか?」


「いえ! そうではなく……来月までにドレスを仕上げないと……今日はデザイナーを呼んでありますので、採寸などしてもらいます」


 ジェイ様が? なぜ?


「ドレスは家で用意しようと思います」


 お兄様が作って良いって言ってたもの。


「そういう訳にはいきませんよ。パートナーとして参加してくださるのですから私が用意します。夫人にも手紙を送りましたから、遠慮なさらずにどうぞこちらへ」



 ジェイ様の店の奥に連れて行かれた。こんな所にも部屋があるのね。


 デザイナーさん達が準備をしてくれていたようで、準備万端のようでした。



「まずは採寸から始めましょう。それからデザインを決めて生地を選びましょう。男性は出て行ってください」


 ジェイ様は追い出されるように部屋を出て行った。パタンっと扉が閉まる音がした。


「さぁ制服をお脱ぎくださいな」


 ……きゃぁぁっ。気がつくと脱がされて体のあちこちを測られてしまいました。



 測り終え制服に着替えたらジェイ様が戻ってきて、お茶を飲みながらデザインを考えることになった。国によってNG項目などもあるようなので詳しいジェイ様の話を聞くことにした。



「ドレスの一部分にイエローを使ってください。おめでたい時には国花に指定されている黄色い花を飾る習慣があってイエローはおめでたい席でよく使われる色なんですよ」


 ジェイ様もチーフやタイをイエローにするみたいです。スーツはシルバーなんですって。それならと私のドレスの色もシルバーにしたらどうかとデザイナーさんが言ってシルバーに決定した。


 デザインはお任せになった。というのも三点ほど書いて見せてくれてどれも素敵だったから。


「それでは急いで作りますので一週間後に仮縫いでサイズの確認をさせてください」



 ドレスは決まったみたい……一週間後? 仕事が早いですね。


 

挿絵(By みてみん)

忠誠心がないと言われて婚約を解消してあげました。2巻が1/8発売となります!

よろしくお願いいたします。

SSや挿絵もお楽しみいただければと思います♡


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