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ジェイ様から送られてきたもの


 舞台を見に行った感動冷めやらない次の日にジェイ様から約束通り荷物が送られてきてそれは小さな箱でした。

 ……ジェイ様もいろんな面で警戒するに越したことはないと言っていたわね。まずは手紙から開きました。すると……


 “感想を聞かせてください”と一言だけ。この文面を見る限り怪しいモノではなさそうな気もするけれど……


 送られてきた小さな箱には緑のリボンが掛けてありとても可愛かった。中身を見るのはまだ怖いけれど外見を見る限りは完璧でした。



 なんで怖いかって? ジェイ様のあの謎の微笑み。裏がありそうで……分からないけれど警戒してしまうのでした。

 


 リボンを解き箱を振ってみる。何か硬いもののようです……よし! 意を決して開封します!



 


「……わぁ、可愛い」


 コロンとしたガラスの小瓶で、瓶には細かい細工が施してあって小瓶の中には液体が入っています。


「香水……? かな」



 箱から小瓶を取り出すとメモのようなものがはらっと落ちた。


 そこには“怪しい液体ではないから安心してください。ルビナ嬢が気に入ってくれるといいのですが……”と書いてある。怪しんだのがバレていますね。


 回して開けるタイプの瓶で蓋が花の形になっていました。飾りたくなるような可愛さです。くるくると瓶を回すとポンっと音が鳴ってふわっとした香りが……



「あれ……? これってもしかして……」 




 バラの香りがしたと思っていたけど、嗅ぎ慣れたすみれの香りもほんのりとして爽やかな香りがした。すみれもバラも喧嘩していなくて良いところ取りというか……



 すっごく良い香りです。すみれは春の花で香りを嗅ぐと春の訪れを感じるけれど、この香水は瑞々しい香りがするのです。



 “感想を聞かせて”ってこれの事だったんだ。女性用の物も展開するって言ってたから、この香水が? キツい香水の匂いで気持ちが悪くなることもあるけれど、この香水をほんの少し付けるなら……うん。いいかもしれない。

 


【小瓶がとても可愛く、香りもすごく良かったです。すごく気に入りましたのでこの香水を購入したいのですが販売はしていますか? バラとすみれの香りだと思うのですが両方の良いところが出ていて素敵な香水です】



 手紙はお店に届けてもらうことにした。ジェイ様の住んでいる所ってそう言えば知らないし侯爵家ではないようですね。


 朝に届いた手紙の返事を昼前に返して夕方に返事が返ってきた。


 


【気に入ってもらえて良かった。主にバラとすみれの香りをブレンドしているものになります。爽やかでルビナ嬢のようだね。これは販売前の香水だから気に入ったのならプレゼントさせてください。もちろんお代は結構です。私にもメリットがあると言ったよね? その香水をルビナ嬢の友人に宣伝しておいてほしい。現在女性向けの香水をオーダーしているところなんだ。興味があるなら工房を見においで。案内するよ】


 

 販売前……メリットってジェイ様のお店の宣伝なんだ。この香水の香りはすごく気に入ったので友人にも紹介しようと思った。明日ハンカチに一滴付けてみよう。


 ふんわり香るくらいなら問題ないかな? 香水の香りがダメだという人もいるから、つけすぎは迷惑になる。


 ******


 ~次の日~


 ランチを終え手を洗いハンカチを出した。


「あら。すごく良い香りがします。ルビナさんからですか?」


 ソフィアさんが気づいてくれました。


「はい。ハンカチに少しだけ香水をつけてきたのですが……あ! 匂いが強いと食欲がなくなってしまいますよね……申し訳ありません」


 私のバカ! 自分が好きだからと言って万人受けするかわからないのに、これではジェイ様の名前を出すことはできないわ!


「ほんのりと風に乗って香ってきました。優しい香りがします。これはどちらのお店で購入されたのですか?」

 


 ソフィアさん以外も気になったようでランチをした後に久しぶりに食堂でお茶をしよう。ということになりティータイムとなった。食事をしている生徒が少なくなりティータイムを楽しむ令嬢が増えてきた。


 窓際の席が空いていてそこに座ることにした。話題はジェイ様の香水。

 


「ハドソン侯爵のご子息のお店のものです。この香水はまだ販売していないようですがこれから女性向けの小物も販売を開始するようです。先日舞台に誘っていただいた時に話を聞きました」


 

「まぁ! 男性向けの商品しか取り扱っていないというので行ったことはありませんが、女性向けの商品も並ぶのならぜひ行きたいですわ。それにしてもルビナさんあの人気の舞台を見に行かれたのですか!」


 ソフィアさんも今度行くと言っていた。両親に紹介された男性に誘われて、中々良い感じのようだ。



 子爵家のレイチェルさんには既に婚約者がいるし、男爵家のデボラさんもお見合いをしている様で相手が決まりそうだ。と聞いた。



 ……私もいつかは……と思うけれどいつか……と思っているうちに縁遠くなりそうな気がしてきた。こうやって焦る様に縁を求めるのも良くないと思うけれど友人の幸せな話を聞くのは嬉しい。



「ルビナさんはハドソン卿と舞台にいかれたのですよね?」


 そ、ソフィアさんったら……


「……はい。そうです」


「もしかして……」


 ソフィアさんがニヤニヤしていた。

 


「「お付き合いを?」」


 レイチェルさん、デボラさんの声が重なる。


「してませんっ!」


 なんて事を言うのでしょう! 相手は侯爵家の方でそんな噂が立つと迷惑になります!

 


「なぁーんだ残念」


 ソフィアさんがそんな事を言うので、顔が赤くなったのが分かった。揶揄うのはやめてください……






 


 近くでちっ。と舌打する音が……



 

 

 

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