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ランチは別で


「今日のランチは何?」



 ディートに言われた。今日のランチはサンドイッチとキッシュとフルーツ。ディートはサンドイッチが食べやすくて好きだから飽きないように日替わりで中身を変えています。



「午後は剣術の授業があるって聞いていたからローストビーフのサンドイッチにしたの。力を付けないとね」


 ローストビーフのサンドイッチはディートの好物でいつも喜んでくれます。これらを作るのはシェフだけど私も具材を挟んだり手伝いをしている。フルーツは自分で切っているのです。



「ありがとう。でもたまには食堂で食べないか? 毎朝準備してくるのは大変だろう?」


「特に大変なことは無いけど、」

「ルビナもクラスの友人と過ごしたいだろう? そうだな。僕とのランチは一日置きにしないか?」


「ディートがそうしたいのなら、」

「うん。そうしよう。昼休憩中の間の会話に参加できなくてさ。少し肩身の狭い思いをしているんだ」

 


 最近ディートとの会話では私の返事を待つことなく決められているような気がするけれど、学園で友人が出来るということは素晴らしい事。貴族社会では横のつながりと縦のつながりが将来の為にも大事だから。


 大人になっても学生時代の話で盛り上がっているとお父様が言っていたもの。



 ******


 ~次の日~


 ディートとランチは別でとることにしたのでどうしようかと思っていたら、クラスで出来たばかりの友人に声をかけられた。


 友人たちも食堂は人が多いから苦手だといい家で用意してもらったランチ持参のよう。このクラスにはランチ持参でのんびりと食べる生徒が多いです。

 



「ルビナさんはいつも婚約者様とランチをしていましたわよね? 本日はよろしいのですか?」


 伯爵令嬢ソフィアさんに言われました。


「はい。今日は別で取ろうということになっています」


「まぁそれなら、私たちと一緒にいかがですか?」



「お邪魔でなければご一緒させてください」


 一度ご一緒させてもらった事があるので、今回も……と実は思ってたのでほっとしました。



「勿論ですわ!」

「ご一緒しましょう」



 三人はごく自然にルビナを仲間に入れてくれた。令嬢同士のランチタイムはおしゃべりをしているとあっという間で楽しく過ごす事が出来ました。


 こんなに楽しくお話をしたのは初めてだわ。そう思うほど楽しい時間だった。


 

「もし婚約者様とランチをしない時はまた一緒にランチしませんか?」

 


 ソフィアさんが言ってくれたのでディートとのランチタイムは一日置きになったと伝えた。そうすると三人はそれなら是非一緒に! と言ってくれてルビナは嬉しかった。



 学園生活を送るにあたり友人がいると楽しさも増えるのだと知った。ディートと過ごす事にもちろん不満はないが令嬢との話はすごく楽しいです。


 男性からするとくだらない話でも令嬢からすると大事な話だから。

 


 好きな異性のタイプ、流行りのお菓子やドレス、宿題やテスト、家族の事、趣味の事、何気ない会話が息抜きになり笑顔が絶えない。


 このクラスで良かったと心から思った。ルビナは積極的に子息に話しかける勇気などないタイプなので、女子だけのクラスはとても落ち着く。


 ******


 そしてまた次の日ディートとランチをする事になる。一日置きにランチの約束をしていたのだが、もっとクラスの友人と過ごしたいと言われ、一週間の内学園があるのは五日間だから、一週間に一度ランチをする事になった。これは決定事項だった。




 ディートの会話にはパトリシアさんの名前がよく出てくるようになった。そしていつのまにか“シア”と愛称で呼ぶようになっていました。

 


 パトリシアさんはブルーが好きだとか、意外とよく食べるとか、剣術が優れているとか、刺繍が苦手だとか、伯爵家の長女で家を継ぐ為に経営学を選んだとか、妹がいるだとか……等等。


 いつのまにかパトリシアさんの好みを把握してしまうほど、ディートの口からパトリシアさんの話を聞くようになった。


 それからディートの友人が今度十六歳になるようでパーティーに招待されたようです。


「プレゼントを買いに行くから街歩きに行かないか?」

 と誘われました。


 

「街歩きは久しぶりなので楽しみね。クラスの友人から聞いた新しく出来たカフェにも行ってみたい」


 とディートに言う。

 


「ルビナは本当に甘党だね。女の子は皆そうだと思っていたがシア(パトリシア)は甘いものが苦手なんだって。珍しいよね」


 パトリシアさんは甘いものが苦手なんだ。へぇ。パトリシアさんの話をする時のディートはとても楽しそうです。





 週末に街に行く事になり、両親からも許可を得た。そして当日ディートはルビナを迎えにきた。


「おばさん、帰りもルビナを送り届けるから安心してください」


 ディートが母に挨拶をする。



「ルビナの事よろしくね。二人とも夕方には帰ってきなさいね。暗くなる前に帰ってこないともう二人での街歩きは許可しませんよ」


 最近世間を騒がせている人攫いの話もあり、夕方までに帰ってこないと心配かけてしまう。そう思い懐中時計をポケットに入れました。

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ありがとうございました。

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