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第18話「未だ目を覚ましていない」

お久しぶりです、少し話が短くなってしまいましたが、少しずつ話を展開していきたいと思います

 ──『ついに!トーナメント第2リーグが幕を閉じた!!』


 あれから約4日、俺の名は浸透し、【殺戮の勇者】とか呼ばれている。

 変な2つ名を与えられたが、周りの俺の扱いが変わったという訳でも無く、今まで通り空気のように扱われている。

 これから第3リーグのトーナメント表が貼りだされるとか。

 みんなトーナメント表が気になるのか、闘技場の計10か所にある掲示板に生徒が押し寄せている。

 俺は後で人伝に聞くからいいが。

 掲示板に群がる生徒たちを見渡すと一度学生寮の自室へ戻る。


 「……やっぱり、まだ寝てるか。」


 自室へと足を運んで開口一番、口からそんな声がこぼれる。

 どうやら、ヘルパーは未だ目を覚ますことなくゆっくりと寝息を立てて眠っている様だ。

 少しくらい寝たいのだが、まだ無理そうだな。

 あと何日くらい待てばよいのだろう。

 嘆息、否、溜息を一つ吐き捨てれば、またすぐに闘技場へ足を運ぶ。


 「お、世冥ぁ!どこに行ってたんだよ?」


 闘技場に戻れば、直ぐに飛んできたのは効き親しんだ昴の声だ。

 もう零時を回って早三時間が経とうとしていると言うのに元気な事だ。

 まあ、それくらいがちょうどいいという物か。

 俺は「ちょっと夜食をな」と一言。

 それはそうと、俺の次の対戦相手は誰なのだろう?


 「俺の次の対戦相手って誰なんだ?」

 「ん? 確か、豪鬼ごうきって言う二年だったはずだぜ!」


 また鬼が付くのか。

 この学校、やたらと鬼と言う漢字が付く生徒がいるな。

 それとも、個性的な奴に鬼が付きやすいのか……。

 まあ、ここら辺はあまり考えない方が良さそうだな。

 と、軽く頭を振って考えを掃う。

 同時、突如として司会の声が響き渡る。


 『さて!!!!司会、変わりまして学園の自称マドンナこと葛城さいじょうマリンが務めさせていただきます!!!!』


 どうやら司会が変わったようだ。

 少し上品な、それでいてどこか幼さの残る弾んだ女性の声だ。

 だが、どちらにせよ司会らしいと言うか、何というか、何故この学園の司会は皆このように元気なのだろう。

 溌溂とした発声に少し気圧されつつも、司会の言葉に耳を傾ける。


 『第3リーグは、これまでと打って変わって対戦方式が変わります!!』


 周囲の生徒が少しざわつく。

 どうしたのだろうか。


 「ふむ、今までこのような事は無かったのだろうか。」


 少し離れた所からゆっくりと近づいてきた小枝がそう呟いた。

 ふむ、そういう事か。

 だとして、いきなり変更があったという事になるが、イレギュラーが発生したのだろうか。


 『まず、これからのリーグではステージの変更はなしになります!』


 ほう、ステージ変更が無いとなると、前戦の痕跡が残った状態で戦えという事だろうか。

 だがそれくらいの変更はそこまで、それこそ、打って変わって、などと言う程ではないのではないだろうか?

 とは、未だ思うのが速かったようで、司会の話が続く。


 『そして次に!これから行われるリーグでは我々運営では手の付けられない段階へと進んで行くことになるので、これからの試合では命の保証が絶対ではなくなります!!』


 と、どうしてもこの話には向きそうも無い程明るい声で告げられる、その事実に周囲の生徒は顔を見る見るうちに青くしていく。

 何がどうなっているのだろうか。

 命の保証がないとは。


 「……もしかしてだけどよぉ、あの鬼何とかって奴が問題なのか?」


 そんな事を口にしたのは昴だが、鬼瓦の事がどうかしたのだろうか?

 小枝に顔を向けて言外に問いかけてみれば、一瞬目を伏せて答えを返してくる。


 「鬼瓦が未だ目を覚ましていないのは、聞いていないようだな。」

 「鬼瓦が……?」


 まったくもって聞いていないが。

 もしかすると、今回のイレギュラーとは、もしかしなくとも俺なのかもしれない。

 それとも、他の生徒にも問題児が多いのか。

 俺は少し周囲を見渡す。

 すると、顔を青くする生徒の中の所々に微かに高鳴りを見せる者がいる。

 ……俺が完全に悪い訳では無い……よな?


 俺の疑問に答えられるものがいる訳もなく、ついでとでも言うように俺の思考を遮って視界がまた嫌に明るい声で言った。


 『──それでは!!!!第3リーグ、開幕だぁあああああ!!!!!!!!!!!』

デスゲームとなるのか、それとも……。

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