表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/53

第20話 陰謀

すみません、やはりまた日日が開いてしまいました……。

 ──「さて、今日も始めるぞ。」


 俺は横に立つ月夜に言った。

 月夜は「わかった。」と一言。

 俺は構えると《身体強化》《空気抵抗軽減》の魔法を発動させて一気に駆け出した。

 とは言えども、月夜に合わせて走っているのだが、周りの生徒たちにはしっかり認識できていないであろう速度に変わりはない。

 月夜もかなり魔力を操るのがうまくなってきたな。

 関心関心。


 「今日の課題はなんだっけか?」


 俺は走っている途中、月夜にそんな事を問う。

 すると、月夜は嫌な顔一つすることなく答えてくれる。


 「今日は指定アリ。パーティー内に一人でもAクラスがいる場合はCランクよりも上のランクの魔物を駆らないといけない。」

 「ふむ。」


 そこまで強くない奴でもCランク以上なら問題ないってことか。

 理解。


 とはいえ、浅い場所にCランクの魔物はあんまいなさそうだな。

 先ほどから見かける魔物はⅮ~Gランク辺りの魔物ばかりだ。

 狙うならAランクだろう。

 ……ただ、そうなるともう少し奥に行かなければならない。

 魔力の濃度が濃い方に溜まる習性がある高ランクの魔物は魔力の溜まりやすい森の深部に集まる。

 そうなると、足を踏み入れる場所を一歩でも間違えれば、高ランク魔物の餌食だ。

 勿論俺がではなく、月夜がだ。


 「月夜、少し二手に別れないか?」


 俺は少し考えた果てにそんな提案をする。

 この先は少し危険になってくる。

 やはり、実力的に月夜は連れて行けない。

 とはいえ、ここで待ってろと言うのもいかがな物かと思ったのだ。

 つまり、こういった提案をすることで突き放すような感覚を与えないようにするのだ。


 「……ん。わかった。」


 俺の提案を受け入れて首を縦に振る月夜。

 俺はこのまま直進、月夜はこの周辺を片っ端から捜索。

 そんな感じで固めておいた。


 これで安全に課題をクリアできる。


 「よし、行くか。」


 俺はそう呟くと、身体強化をかけて、一度地面を本気で蹴りつける。

 刹那、地面がベッコリと凹み、気が付けば辺りは先程とは比べ物にならない濃密な魔力が満ちていた。

 とはいえ、そこまで高レベルな魔物はいなそうだが……。


 「ハズレか……ん?」


 俺はもう少し奥へ突き込もうと足に力を籠める。

 その瞬間だった。

 微かに悲鳴のようなものが聞こえたのだ。


 既に力んでいた脚は蹴り上げる寸前で止める事は出来ない。

 なので、その声が聞こえた方へと力の方向を変える。


 もちろん、魔法でだ。


 「【指向指示】。」


 すると、前方向に力を加えたにも拘らず、俺の体が進むのは右方向だった。

 今になっても思ってしまうが、魔法と言うのはすごい物だ。

 何せ、物理法則すら捻じ曲げてしまうのだから。


 だが、この魔法に一つ難があるとすれば、常時使用していなければ、使用者はその先にある障害物に当たってしまうという点だろう。

 今ではしっかりと移動できるようになったが、この魔法を使えるようになったばかりの頃は近くの岩にぶつかってしまい直ぐに怪我をしてしまっていた。

 かなり痛い。


 と、そんな事を考えている間に目的地に到着してしまったようだ。

 俺は【魔力遮断】【探知遮断】【風化】の3つの魔法を使い、草むらに忍ぶ。

 そのままゆっくりと進む事数10秒、前方に左右非対称の角を生やした女性が姿を現す。

 【魔族】だ。

 【魔族】の視線の先にはAクラスの学級代表が赤くなった袖に隠れる腕を抑えていた。

 何をしているのだろうか?


 ……俺はその場で魔法を一つずつ解除する。


 途端、【魔族】が俺の存在に気が付き、ゆっくりと近づいて来る。

 俺の魔力は荒く弱々しく本来の力を隠しているためか、無防備にこちらに近付いて来る【魔族】。

 『そこで不意打ちを!』

 なんてことはしない。

 何故なら、こんな事をしている理由がどうして【魔族】が此処に居るのかを知るためだからだ。


 「どこから忍び込んだのかしら? 今の今まで全く気が付かなかったわ。」


 ニヤリと怪し気な笑みを浮かべ、そんな事を言ってくる【魔族】。

 次の瞬間には、魔力が膨れ、練られていく。

 気が付けば、一つの魔法が発動していた。


 【魔性斬】。


 俺の腕が切り裂かれ、鈍い痛みが切られた断面を這う。

 俺は切り落とされた腕を見て恐怖したように顔を青くする。

 それを見て【魔族】がニヤッと笑う。


 「こんな場所に来るものだから、嘸かし強いのかと思っていたら、この程度? 笑えるわ……!」


 ふむ、【魔族】に笑われる筋合いはないのだがな。

 とりあえず、ここは乗っておくとしよう。


 「な、何でこんなとことに【魔族】が……!?」


 普通はそんな事よりも自分の腕を失った事による悲壮感の方が強いはずだが、油断しきっているこの【魔族】はそんな物は気にしないだろう。

 案の定、よくぞ聞いてくれたと言わんばかりの顔で答えを返してくれる【魔族】。


 「私だ此処に居る理由はただ一つ!! “あの御方”に召喚されたから!!!」


 ふむ、良く解らんな。

 とはいえ、此奴を招き入れた奴がいるという訳だ。


 「……まあ、特に収穫はなさそうだな。」


 俺はそう呟くと、無くなった腕を必死に抑えていた掌を魔族に向ける。

 赤く染まった掌は、紫線を纏う。

 そして、一つの魔法を唱える。


 「【死滅電糸】。」


 刹那、俺の右手が纏ていた紫線が束ねられ、【魔族】目がけて一気に伸びる。

 気が付けば、【魔族】の腹に大きな穴が開いていた。

 そんな大穴を開けたのは、紫電を纏った、魔力で出来たとても細い糸だった。

 0,03㎜あるかどうかという程細いその糸が【魔族】を絶命させたのだ。


 俺はそれを見届けると同時、落ちている自分の腕を拾い上げて魔法をかける。


 【時転治癒】。


 部分欠損などを治す場合に向いた治癒魔法の一つだ。

 完全に原型を失っていない限り、どんな状態でも完璧に治癒してしまう。

 俺は自身の腕が元に戻った事を確認すると、すぐさま学級代表の治癒に移る。

 治癒の後は医務室に連れて行き、今の事態を教師陣に報告すべきだろう。

 俺は学級代表の腕を治癒しながらそんな事を考える。

 そんな時だった。


 「……早く逃げるんだ……!」


 学級代表が顔を青くしてそう叫んだ。

 そして、事切れた様に白目を剥いて地面に身を伏せたのだった。


陰謀とサブタイトルを付けましたが、未だしっかりした内容は見えてきませんでしたね……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ