第19話 授業
すみません! 最近、少し忙しく続きを書く事が難しかったので途切れ途切れでの投稿になりますが、気長にお待ちくださると幸いです!!
──「んー……!!」
俺は大きく上に伸びて、体を解す。
伸びた位で体が解れる訳が無いって?
ノンノン。
魔力を体内で程良く動かすだけで体は解れるのだ。
まあ、魔力操作を極めればの話だが。
と、そんな事はどうでもいい。
問題はこれから行われる授業だ。
集合場所には既に学年生徒全員がそろっている。
だが、未だ一番前に置かれる壇上には誰も立っていない。
いや、そう思っていると、丁度奥から出雲が駆けてくる。
『申し訳ありません、少々遅れました。えー、これからやっていただきますのは、この周辺に蔓延る魔物の駆除です。』
壇上に登った出雲が最初の発したのは、そんな言葉だった。
前置きなどは必要ないという事だろう。
事実、その言葉に対し、緩まり切っていた先程の空気が、一気にピリつく様な張り詰めた空気になっている。
そんな空気を俺達に味わわせるかのように、長いためを作り、出雲の左手があげられる。
『ここから先の判断は自己責任となりますが、先に言っておきます。危ないと思ったら、すぐに逃げてください。』
その一言に途轍もない圧を感じる。
だが、それも一瞬の事、次の瞬間には左腕を下ろし、気の抜ける声で開始の合図を出す。
『それでは初め! あ、倒した魔物の種類と数は成績の基準になりますので、しっかりと部位を回収してきてくださいねー。』
そんな気の抜ける声と共に、生徒たちは動き出す。
俺も、そんな生徒たちに混ざって月夜と共に樹海へ足を踏み入れる。
瞬間、周囲には戦慄と静寂が広がった。
生徒たちの怒号、悲鳴、歓喜。
様々な声が行きかっている。
つまり、それだけの数の生徒が動いているという事。
俺は負けじと月夜を連れて樹海を駆け出す。
中は薄暗く、あまり進んで入りたがるような人間はいないだろう。
だが、俺達は勢いよく駆け抜ける。
途中に魔物が出てくることがあったが、即座に切り伏せて提出すべき部位を回収後即座に駆け抜ける。
勿論、切り伏せるのは月夜だ。
……何故?
俺が魔力を練り始めると同時に、「こんな程度、世冥が相手をするまでもない。」とか言って初歩的な魔法の《水神刃》で次々と魔物を切り伏せていく。
うん、確かに俺が手を下すまでもなく終わってるね。
と言うより、俺に何もやらせてくれないじゃない?
それに、俺が相手をするまでも無いのは正解だったとしても、俺にも何かはやらせて欲しいんだ。
なんでって、周りの視線が痛いから。
さっき通った道で聞こえてきた声何かわかる?
「女の子にそんなことさせて、ヒモが。」
だって。
俺は自らこうなってるのではなく、強制的にこうなっているのだ。
誤解はやめて欲しい。
「と言うか、俺達の周りには魔物も何も近寄らないな。」
俺はふとそう思った。
何故か先程から俺達に魔物が近寄ってこないのだ。
何か理由はあるのだろうか?
そんな事を考えていると、後ろから聞こえてきた月夜の答えに少し硬直する。
「そんなの決まってる。世冥が強すぎるから。」
……俺最近魔力控えめなんだけど?
入学当時から少し経った事もあり、周りに合わせて魔力を控える様にしていたため、見ただけでは俺の力量は分からないはずだ。
それとも、俺が知らないだけで最近の魔物……と言うか、この世界の魔物は真の力量が分かるのだろうか?
「さっきから隠している積もりかもしれないけど、奇麗に隠れすぎてる所為で逆に目立ってる。」
ふむ、そういう事か。
魔物ってそこらへん察知できたんだな。
てっきりただただヘイトが溜まり過ぎて逆に出てこないのかと思った。
とりあえずだ、授業とは言え、あと二日、三日位これを続けるとか正気か?
簡単すぎると思うんだが。
「これって、最初の日だからこんな簡単な課題なのか?」
「……多分、そう。」
うーん、あんま自信はないっぽい。
まあいいけどさ?
どうせね、何事もなく終わる訳だから。
──「ふう、こんだけ狩ればいいか(何もしてない)。」
「……多分(めちゃめちゃ仕事した)。」
俺達はそんな会話をして最初の広間に足を運んだ。
すると、一日目の授業終了の合図が告げられる。
ちょうどよかったみたいだ。
『今日はお疲れ様でした。明日はまた少し違う内容で授業を執り行いたいので、万全な状態にしておいてくださいね。』
そんな事を言って壇上を降りていく出雲。
それと同時に、昨日と同じくばらばらと解散していく生徒たち。
ふむ。
俺もさっさと帰って休むとしようか。
今日中にもう一話あげられることを祈ります。




