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第1話 転生

息抜き的な感じで描いたので、更新はあまり早くないと思いますが、楽しんでいただけると幸いです、、、!

 俺、久世原(くせはら) (かおる)はこの時代、とても不憫な人生を送っていた。

 まあ、それは容姿の問題なのだが、、、端的に言うとすればこうだ。


 『顔がセクハラ』


 そう、この顔が、見る物に不快感を与えるのだろう。

 どこに行ってもいい顔はされた覚えがない。

 まあ、それも当然だろうと思う。

 今の時代に、顔やらなんやらで差別をするのは良くないとされている。

 だが、それは事実上での話だ。

 どういう意味か? 簡単に言えば、見た目だけで判断しなければいいという事だ。

 別に俺はそん事した事は無いし、何ならこれからする事も無いだろう。

 だが、機会なんて俺からじゃなくて、相手からも作れるわけだ。


 エレベーターなどの個室兼密室状態で俺の顔を見て気分を悪くしたものは、嫌な事を考え、最終的に自分の服が擦れただけで俺に触れられたと思い込むわけだ。

 それで、会社の人間ならば上司に、そこら辺の女性なら近くにお巡りさんに、俺は今まで無実の罪を100はかけられた。

 ならばこそ言える事だが、真実と事実は似て非なるモノだ。

 真実とは、その人一人が知る物であり、事実とは、公然にて認められた一つの事象の事だからだ。


 つまり、俺は真実を話した所で、外見によって齎された多数の事実に揉み消されて罪をかけられるのだ。


 俺は今務めているブラック企業でしか働けない。

 何故か? そんなもの決まっている。


 俺みたいなのを置いておきたいと思うような会社が無いからだ。


 そしてそんな俺は、馬車馬の様に働かせられ、命を削りながら生きている。


 そして、限界が来たのだろう。


 眩暈がした。


 心臓の脈が、普段よりも早く感じる。


 そして、力が入らない。


 息がしづらい。


 ヨロヨロと歩く俺を見て回りはどう思うだろうか?

 気持ち悪い? いや、そもそもなにも思う事なく離れていくかもしれない。

 周りに見える人の影一つ一つがぼやけてくる。

 日差しがいつにも増して熱く感じる。

 汗がダラダラと垂れ出て、ついに意識まで遠のく。

 気が付けば、俺の顔は、とても柔らかい2つの双丘に埋もれていた。


 「キャアアアァ!」


 悲鳴が聞こえる。

 きっと、セクハラというモノを俺はやってしまったのだろう。

 だが、俺の意識は、もう──。


 気が付けば、俺は見知らぬ部屋で、ベッドに横倒れていた。


 どこだろうか、ここは。


 ん?


 体が、軽い、、、。

 手足が小さい、、、。

 顔が、つるつるしていて、とても整っている、、、様に思える。


 俺は辺りを見渡し、近くに置いてあった縦長の鏡を覗いた。

 そこに映っていたのは、黒髪黒目のイケメン、、、美少年だった。

 これが、、、俺?

 もしや、転生というものをしてしまったのか?


 だとして、この容姿、俺は、、、勝ち組ではないか!!?


 ッシャアァアアアアアアアアアアア!

 神様、ありがとうございましたあ!

 父さん母さんも、今まで育ててくれてありがとうございましたあ!

 俺はこれから、異世界で、平和に暮らします!!


 ──と、思っていた時期も、俺にはありました。


 「「勇者様あああああああああああああああああ!!」」


 国民の熱い声援は、15歳になった俺に向けての物だった。

よろしくお願いします。

一応、直ぐに第2話投稿予定です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 今まで見た事がない始まり方、とても続きが気になります。 楽しみに待っています。 [気になる点] 『と、思ていた時期も、俺にはありました。』 の部分、『っ』が抜けていると思います。
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