6話 条件
「ただし条件がある。」
王様が話しだした。
「ここはテンサーイ王国、知恵と正義の国、この国にいる以上、天才でいなければならない。というわけで毎日1時間勉強してもらう。」
ええぇぇぇぇぇ!べ、勉強だってぇぇぇぇ!
「かけ算九九は50の段まで覚えるのだ。」
はぁぁぁぁぁ!
「そしてもう一つ。働くのだ!」
「え?働く?」
カイトは驚いた。
「働くのは大人がやることじゃないんですか。」
「ああ、だか今この国は人手不足なのだ。」
「大人も子供も働きかなきゃいかん状況にある。」
「なんでですか」
カイトは聞いた。
「そうか、そこから話さないとだったな。この国は今、戦争しているんじゃ。わしら天才のテンサーイ王国と、バカどもの集まりバカバッカ軍団でな。バカバッカ軍団はこの国の英才教育についていけなくなった奴らでできておる。わしらの考え方はこうじゃ、知識と正義で人々をまとめる考え方じゃ。一方、バカバッカ軍団は、科学とずるを重んじる考え方じゃ。まったく情けないやつらじゃよ。わしはそのバカバッカ軍団と1ヶ月後決戦をすることになっておる。そのためにみんな集まって、武器の整備とか堀を作ったりしてるんじゃ。そこにおぬしも入って手伝ってほしいのじゃよ。」
王様が言ったことを簡単にすると、この国の勉強についていけなくなった奴らが集まって1ヶ月後に攻めてくるので、その準備を手伝えと言うことだ。
それにしても、バカバッカは、なんてひどいやつなんだろう。そのあとのリャカが教えてくれたことによれば、バカバッカはこの国の人をたまに誘拐して実験をするらしい。ん??バカバッカって聞いたことあるぞ。カイトは朝起きてからのことを思い出した。カイトははっとした。朝起きてカイトがいた場所はバカバッカ軍団の秘密基地だったと言うことか。間違いない。あの怪しさはバカバッカ軍団であろう。
「と言うわけじゃ、今日はもう家で寝てよろしい。明日から労働に勉強を頑張るんじゃよ。」
「はい。ありがとうございました。」
カイトとリャカは王様の部屋からでて宮殿を抜け、リャカにカイトの家の場所を教えてもらい、リャカと別れて、そのまま流れるようにカイトは眠りについた。なんせ9時間歩きっぱなしだったわけだ。
朝起きてバカバッカ軍団のアジトにカイトがいたと言うことは、バカバッカ軍団がカイトをアジトに連れてきたかもしれないということに、カイトはまだ気づいていなかった。