3話 テンサーイ王国
カイトは平原に来てみた。澄み渡る空、おいしい空気。カイトのいた世界では味わうことができなかっただろう。ふと、カイトは平原の奥になんか建物があることに気づいた。行ってみようと一瞬思ったが、さっき洞窟で変なやつらにいじめられたことを思い出して怖くなって行くのはやめておくことにした。
カイトはまだ何が起こっているのかを理解できてなかった。朝起きると、変なやつらに捕まっていて、逃げて行ったら外はまるで別世界のようだった。カイトはわけがわからなくなったので平原の中で寝っ転がった。風が気持ちよくカイトにあたっている。カイトはいつのまにか寝てしまった。
???「大丈夫ですか?」
誰かに話しかけられて。カイトは目を覚ました。
「なんでこんなところで寝ているのですか?」
目の前に女の子が立っていた。服装は縄文時代かよって言うくらいの感じで、うすっぺらい布をつけてるだけだった。そして、黒い髪と黒い目、カイトと同じクラスのあかりちゃんにそっくりだった。
「え、なんでここで寝てるのかは自分でもわかんないんだよ。ほんとはベットにいるはずなのに」
「あら、記憶をなくしてしまったのね。バカバッカの仕業に違いない。ここはバカバッカのアジトの近くだから。」
「仕方ないわ。王都まで一緒に行こうじゃない。あなた名前は?」
「カイト」
「よろしくカイト。わたしはリャカ」
カイトはリャカに連れられてさっきいた洞窟を背に歩き出した。カイトはまだ自分の身に何が起こっているのかを理解できてなかったが、やっとまともな人に出会えてほっとした。そしてこのリャカという少女は国まで送ってくれるらしい。とりあえずカイトは王都とかいうところについたら、人がたくさんいるだろうから、自分の身に何が起きているのかを聞こうと思った。
「あ、ちなみにここから王都まで歩いて7時間かかるのよ。」
「、、、」
「えぇぇぇぇぇぇえ!!!!!!!!」
7時間後、へとへとになったカイトとリャカはついに王都にたどり着いた。もう日が沈みかけていた。夕日にあたりながらカイトは今日はなんて日なんだと思った。
そこには大きな宮殿があった。
「あなた、この宮殿をみても何も思い出さないの?」
「バカバッカに連れて行かれて脳の実験をされた人たちもこの宮殿を見れば全員思い出したわよ。それほど有名な宮殿なのに、、、」
「ごめんなさい。なにも、、」
カイトの場合思い出せないのではなく、もとからこんな宮殿の記憶がないのである。
「仕方ない。説明するわ。ここは、知恵と正義の国、テンサーイ王国よ!!!」