14話 開戦
「仕方ない、小場カイトはもう間に合わないだろう。わしらだけでなんとかするのだ。わしらならできる」
すると、王様は地平線を指した。
そこにはまだアリのように小さく見えるバカバッカの軍勢が見えていた。
「来たか、バカバッカ。」
バカバッカ軍はだんだんテンサーイ王国に近づいてくる。
「迎え撃て!!!!!!」
王様が手を挙げると、鉄砲隊は王国の門の前に構えたいくつもの掘りの中からドドドドと音上げ大砲を放った。
ヒュウウウウウ ドカァン!!
大砲が届く距離のギリギリ外で止まったバカバッカ軍は、そこからなかなか動きださない。大砲でたった土埃の中から一つとくに怪しい雰囲気の男が見える。バカバッカだ。
「終わりにしてやるよ。テンサーイ王国」
「開戦だ!!!!!!!!!!」
王様とバカバッカが同時に叫んだ。
「突撃!!!!!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおお」
バカバッカの軍勢が押し寄せてくる
「返り討ちにしてやるわ」
鉄砲隊はそう言って大砲から鉄砲に切り替え、軍勢を撃ち続けた。
しかし、軍勢の勢いは止まらない。鉄砲隊の攻撃が当たっていないわけではない。彼らは撃たれてもなお進み続けた。
「な、なんだこいつら、今まで一発当てりゃ立ち上がってこなかったのに。」
おいおい おかしいだろ なんでこんだけ撃たれて進めんだよ
え? まてよ? こいつら…!!!!!!
ここでやっとひとりの兵士がそう気付いた。
「こいつらロボットだ!!!!!!!!!!」
そう。突撃してきたバカバッカの軍勢はロボットだったのだ。
「いつもならここで鉄砲隊が兵士を壊滅させて終わりだったが、流石に改善してきたか」
だか、ロボットが突撃してこようと鉄砲隊は押されることはなかった。ロボットはとても高い狙撃能力を持っていたが、毎日の訓練の甲斐があり、やられる人は少なかった。
「ロボットだって何発か当てたらぶっ壊れるぜ!!!!!!」
鉄砲隊とロボットの撃ち合いはほぼ互角だった。
「ロボットを作るなんてバカのあいつらにできたのか…。バカバッカは何を企んでいる…」
王様が見つめる先にわざわざ豪華な椅子を持ってきて座っているバカバッカは、ずっと進んでこない。バカバッカだけではなく他の人間もそこで待機している。攻めてくるのはロボットだけである。
王様と目が合ったとき、バカバッカはニヤリと笑ってみせた。
「うわあああああああああ!!!!!!!!!!」
悲鳴と大きな爆発音が聞こえたのは鉄砲隊のいる前線より後ろ。
さらに、その後ろの一般兵士、最終列の王様よりも後ろからだった。そこには王様が普段いる大きな宮殿がある はずだった。
皆が振り返ると、そこにあったのは大破した宮殿と謎の大きなでかい生物。
それが何なのか皆わからなかった。ただ宮殿が破壊された恐怖と驚きで、皆黙っていた。
ただ1人王様だけ、その生物が何なのかを知っていた。昔、宮殿の中の本で見たことのある。二足歩行で大きな牙と鋭い爪、長い尻尾をもつ太古の生物。
「キョウリュウ…???!」