1話 その男 小場カイト
夜10時部屋からはカタカタと音が聞こえてくる。
「もうねなさいよ」とお母さんの言うことを聞かずにゲームをしているこの少年こそこの物語の主人公「小場 カイト」(おば かいと)だ。
カイトがしているそのゲームは射的ゲームでビームをいかにも悪そうな顔のやつに当てるというゲームで、大体の人は3日で飽きるだろうけど、カイトはそれをもう半年はやっている。おかげでカイトはこのゲームはとてつもなくうまかった。
1時間たったころ眠くなったのか飽きたのかカイトはそのままベットに入って寝てしまった。
寝て''しまった’’というのは、寝てはいけなかったというような言い方だが、実際にカイトはゲームなんかよりもやるべきことがあった。勉強だ。カイトは明日小学5年まとめテストを控えているのであった。
翌日、朝9時いよいよテストが始まろうとしていたた。ノー勉のカイトは自分が今まで勉強をしてこなかったことに焦っているわけでわなく、ただ、ボケーっと椅子に座っているだけだ。そうこの男、小場カイトはテストで悪い点を取ろうともなんも感じないタイプの人間なのだ!
テストはその日のうちに返される。
「えーこのテストはみんな出来が良かったですなぁぇ」
先生が言っている。先生が答案をみんなに返し始めた。
今回のテストは国語、算数、理科、社会の4教科あってそれぞれ100点満点だか。そんななかカイトは何点取れたかというと、、、全教科0点
「小場くんは何点だった?私は100点」
誰かがカイトに話しかけてきた。彼女はあかりちゃん。
カイトが密かに思いを寄せる人で、髪の毛が黒くて、目が黒い。あとかわいい。
「えっと0点あはは」
「え!嘘でしょ!馬鹿とは話にならないわ、さよなら」
あかりちゃんはそう言ってどっかに行ってしまった。さすがのカイトでもちょっと悲しくなった。
「ただいまー」
ドアを開けながらカイトが言った。
「あらおかえり」
お母さんがカイトを出迎えた。
「そういえば今日テストだったんでしょ。ゆうきくんのお母さんが言ってたわよ。なんで言わなかったのよ。それで結果はどうだったの?」
「え、ああまあまあだよ」
なんでここでカイトは嘘をついたのかというと、カイトのお母さんはめっちゃ怖いからである。
「あら、それならよかったわ。点数悪かったらぶっ飛ばしてたけどね。うふふ」
カイトは鳥肌がたった。
カイトは自分の部屋に入って急いでランドセルからテストを取り出して、机の中に隠した。ここはカイトのテストの隠し場所で、小3から今までの全てのテストが隠されている。(全部0点)
そして今日この時、この引き出しの中の0点のテストがちょうど100枚目に達した。
そして、風呂に入り、家族とご飯を食べて、ゲームをしてからカイトは眠りについた。
朝、目覚めるとそこは自分の家の中ではなかった。