第八話 探偵が先か事件が先か
ハルトマン︰「探偵…?ははっ!来るのが遅すぎるぞ、もうすでにこの正義になれなかった惨めな生ける屍は僕が浄化した。今更助太刀なんて必要ないぞ。」
探偵︰「私が助太刀に来たのだと思うのかい?私はここ最近いろんな場所で暴れまわっているやつを追ってここまで来たんだけれど」
ハルトマン︰「…おいおい、僕は悪を成敗していた覚えはあっても暴れていた覚えはないぞ。」
信者1︰「ハルトマン様!この女はハルトマン様を悪呼ばわりする愚か者です!どうか成敗を!」
信者2︰「ハルトマン様!この女知っています!この女が虚言を振りまいたせいで不当な理由で数々のハルトマン様の支持者が警察に捕まったのです!」
その二人の声を皮切りに周囲にいた信者たちがハルトマンに探偵を倒せと叫びだした。
というか、マズイな、いつものごとく復活したのは良かったけど、こんな状況じゃ逃げようにも逃げられない。
すると、あとから遅れてやってきていたくたびれたスーツを着ている男が狼狽えながら探偵に話しかけた。
???︰「ちょ、や、ヤバいですって。だーから言ったでしょ!そこに謎があるから!なんて理由でなんでも首を突っ込む癖を治したほうがいいって!謝ってさっさと逃げましょうよ!」
探偵︰「やかましい、少し落ち着きたまえ。まぁ危機的状況には違いないかもしれないね、だが何事も機転を利かせればどうとでもなるのだよ。この黄金の脳細胞をもつ私に任せたまえ。」
雑に平手の状態で男の顔面に裏拳を打ち出しながら言い切った。
だがここまで話を聞いた感じだとこの人たちに協力すべきなのかもしれない。幸いまだ俺が生きているということには気付かれてないようだ。
無事に逃げるにはもう時間を使いすぎた、ならもう全ての罪をこの男に着せる道を選ぶしかあるまい。
ハルトマン︰「…まぁ君達にあったのは初めてだから初見で人の善悪を判断するのは出来ないが…」
あれ!?俺は!??ハジメマシテなんですけどぉ!
ハルトマン︰「僕のファンたちが不当な被害を受け、さらに僕のファンたちが君を倒せと言うのならば正義として動かないわけにはなるまい。安心しろ、命は奪わない、ファンとして更生してもらうだけだ。」
場にピリピリとした空気が漂う。遠くからパトカーの音が聞こえてきたのでもう時間は無いということだろう。これから始まるのは探偵とハルトマンのタイマン。そう誰もが思っているのだろう。つまり、チャンスだぜ!
ハルトマンが完全にコチラに注意を向けなくなった瞬間を見計らって背後から羽交い締めにする。
アッキー︰「どぉーもー!さっきのお返しだぜ、莫迦みたいに能力ひけらかしてくれたお陰で安心して掴みかかれたよ。」
といっても時間はない、元々パワーは全くといってないから全体重をかけているのに振りほどかれそうだし、発狂している信者たちが襲いかかってくるのも時間の問題だろう。
探偵︰「……ハッ、固まってしまっていた!な、なんで生きてるのか謎だけれどこのチャンス生かさせてもらうよ!」
あー、人と協力するって久しぶりだなぁ。とカッコ悪くも泣きかけていると、探偵が持っていたスタンガンでハルトマン諸共感電させられた。畜生なんだよ、真っ当に協力ぐらいさせてくれよ。
一瞬気絶したが、頭から墜落したおかげで無事意識を取り戻した。
アッキー︰「……っ!!やっべっ、気絶なんてしてる場合じゃねぇ!信者共が襲ってき…?」
信者たちがいたほうに目を向けてみると元の位置で応援しているだけだった。いい大人たちがまるでヒーローを応援する子供のように。
そんなとき、予想通り警察がやってきた。おせーんだよ、グズが。
警察︰「伏見、現場に到着しました。って…なんだ、この状況は??ひどい有り様だ。」
ありきたりな感想をいいよってからに。おっといけない、猫かぶる準備をしなければ。
伏見︰「…!!き、き、君!そ、そこを動かないでくれ、もしかしてこれ、君がやったのかい?」
あー、そうですぅー、私がやりましたぁ、とでも言うと思ってるのか?
アッキー︰「い、いや、ぼ、僕はただ散歩に来てただけなんですけどぉ、そ、そこで気絶してる人が…」
警察は気絶しているハルトマンのほうに視線を向ける。だが、まだ警戒されているようだ。めんどいなぁ、もうどうしようもないんだが
任意同行くらいはしてやろうかと考えていると、
探偵︰「その少年は無実だよ、私に免じて許してもらえないだろうか?まぁ、君は知らないかも知れないが君の上司にでも聞いてご覧。きっと私のことを知っているから」
伏見︰「はぁ?なんだこの女」
怪訝そうに探偵を見つめるとその探偵をじっと見ていた隣の後輩らしき警官が大声を出した。
警官︰「思い出した!せ、先輩!この人たち、あれですよ!警察側が解決困難だった事件をスピード解決した 探偵 霧島 千代ですよ!」
霧島︰「そういうことだ、最近はいくつか事件の協力もしてるからね。私のことは信用してほしい、この少年は偶然ここにいただけだよ。責任は私が取ろうじゃないか。ああ、君たちの捜査の邪魔はしないさ、情報が欲しいなら知っていることは話そうじゃないか。あとは、そこの気絶してるのにでもきくがいい。」
そういうと若干不服そうにしながらも一瞬こちらをチラ見すると承服した。
警官と探偵が話しているときその側にいた男がこちらに近づいてきた。
???︰「やぁやぁ、災難だったねぇ、っていうかホントに君生きてるの?」
まぁ、そう思うのが普通だろうな。目の前で人の首が180度近く回ったらそりゃ死んだと思うよな。実際羽交い締めにしてたやつは死んでるし
アッキー︰「どうもクリーンヒットしたのが後ろの奴だったようでどうにか気絶だけで済みました。本当に運が良かったです」
???︰「いやー、一概に運が良かったとも言えないんじゃないかなぁ〜、だって多分君、霧島さんに目をつけられちゃってるもん。面倒くさいよぉ霧島さんは、知りたい謎があるときは昭和の警察顔負けの執拗さがでてくるもの。」
霧島︰「だーれーが、面倒くさいって?ねぇー、やーしーろー君?」
いつの間にか背後に立っていた探偵が目の前の男の背中を力いっぱいつまんでいた。うわー、痛そ
八代︰「あだだだだだ、ゴメンナサイ!」
霧島︰「っと、じゃあ少年の話を聞かせてもらおうか。でもその前に君は本当に生きているのかい?」
アーハイハイ、イキテマスヨー
霧島︰「…そう、ならいいんだ。じゃ、話を戻そうか。安心したまえ、何を話そうと警察なんぞにわざわざ話すつもりはない。依頼されてないしな。まさか君も本当に無関係だなんてことは言わないよね?」
まぁ、そうだわなぁ。んー、別にいいんだがこんな中学生みたいなちんまいのに言われてもなぁ。つかこいつ何歳だよ
霧島︰「ん?なんだい?ああ、私の名前は 霧島 千代。この図体の大きい男は 八代 恭一。」
八代︰「霧島さんがちいさいだけじゃないっすかイタタタ!なんでもないです!恭一っす!よろしくお願いしまーす!」
ニコニコしながらつねってやがる、やっぱし女は怖いな。
霧島︰「で?こんなところに長居するのもあれだし、うちの事務所に行こうと思うんだが、ついてくる気はあるかい?」
断ったら不審だし、なにのり接触してきている時点で能力者かもしれない。下手に逃げるくらいならついていったほうがいいだろう。
アッキー︰「はい、案内。よろしくお願いします。」
警戒は怠るつもりはない。そうして霧島たちについていく。
あ、柏木忘れてた。
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