第三話 疑心暗鬼
松井は最後に言った柏木を信用するなと。どういう意味だ?いや、はなから信用なぞしてないが、あいつはこの今呑気に夕飯を作ってるこの女のことを何か知ってるのか?分からない
柏木:「はーい、出来ましたよー。角煮のお肉を柔らかくするのに手間取っちゃいましたよ~。ささ、どうぞどうぞ冷めないうちに食べてください。」
そう言って、角煮の入った皿を真ん中に置き俺の目の前と対面にご飯とみそ汁、サラダを置いた
本当になんなんだこの女。考えがまるで読めないぞ…あ、角煮柔らかくておいし。
柏木:「それで、何から話しましょうか?」
アッキー:「は?何の話だ?」
柏木:「なんですかもう忘れたんですか見た目が鳥みたいな頭の人って実際も鳥頭なんですか?」
アッキー:「う、うるせーな!ちょっと髪型がトサカっぽくなってるだけだわ!そこまで鳥感ないぞ、ないよな?」
柏木:「はぁ、いやまあ君のそういうところが可愛いところでもあるんだけどね、もういいや勝手に話します。後でまたあの先生に叱られるのは嫌ですし、」
アッキー:「先生…?あ!そうだよ、お前が俺に情報を教えてないとかなんとか言ってたような…」
柏木:「えーとぉ、どうしましょうかねー何から話しましょうか、あ、じゃあまず先生が言ってた情報から説明しましょうか」
柏木:「まず、先生が最後に言った、私みたいなのがあなた達に干渉できなくなる条件は能力を使うことだって言ってた意味理解できてます?」
アッキー:「理解するも何もあんときは混乱して訳分かんなくなってんだよ」
柏木:「…まあそうでしょうね。だから説明して差し上げるのです首を垂れなさい」
ははー、っていきなりなんだよ、なにキャラなんだよ
柏木:「先生の言ってたのはこの殺し合いにおけるルールっていうか決まりの裏をかいた裏技みたいなことですよ。」
アッキー:「裏技?」
柏木:「簡単な話です、能力を使わない殺しは単純に一般的な殺人、能力を使えば殺し合いのゲームってことになるわけです。ただの殺人なら私も遠慮なく寝首を掻きにいけるわけです」
アッキー:「な、なるほど…ん?あれ?お前最初これに参加すれば日常で命狙われることは無くなるとかいってなかったっけ?」
柏木:「それで先生が言ってた位置情報についてなんですけど、実は隠す方法あるんですよね」
アッキー:「おーい無視してんじゃ…ってはあ!?あんのかよ!?さも隠す方法はないみたいにかたってたくせによぉ!」
柏木:「…そんなことは言ってませんよー、聞いてくれればちゃんと答えましたし。そもそもおかしいじゃないですか。位置情報を隠せないなら何故相手は四六時中スマホで確認しないんでしょうか?幾ら強大な能力があるからといっても自分の近くに敵がいないか位普通なら確認位しますよね?何故疑問に思わなかったんですか?それはあなたの過失だと思いますよ?不用意に人を疑い、激昂したこと反省してください」
アッキー:「ご、ごめんなさい。ってこれ俺が悪かったのか!?」
アッキー:「…あ、そういや松井はお前のことなんか知ってたみたいだったけど前にあったことがあるのか?」
柏木:「…いやいや、何言ってるんだい。僕らつい最近までゴリゴリの学生だったんだよ?まあ、今日は休んでるけど。」
アッキー:「あれ?そういや今日何曜日だ?」
柏木:「…えーっと、月曜日ですね。おや?もしかして学校行きたかったんですか?てっきり、こんな事態に陥っておきながら学校なんかに行けるか!僕ちんは自分の部屋に帰るじょ!みたいな雑魚感溢れること抜かすのかと思ってましたよ」
アッキー:「いや…確かに全くそんなつもりはなかったんだが、絶妙に一言多いんだよ…まあいいやンなことより許可なしであんまし休んでも騒ぎになりそうだなって。
柏木:「いえ、その点は問題ないです。そこは機関がもみ消すことになってます。なので何日休もうが、街中でどんな騒ぎを起こそうが問題になることは絶対にないので安心してください。…っていうより」
突然両手で顔をふさぎ震えだした、なんだどうした?
アッキー:「おっおい!大丈夫か?どうかし…」
柏木:「…フッ、くくく…いやいやいや…学校一の嫌われ者で教師にすら煙たがられているあなたが…アハハハ…学校にいなくて、まあ確かに騒ぎにはなるでしょうけど問題になるはずがないじゃないですか!!ひ~お腹痛い」
違った、今すぐにでも殴りたい、俺の心配を返してくれないか?
当の本人は泣きながら爆笑して転げ回っていた。
アッキー:「はー、で?どうすれば位置情報を隠せるんだ?」
柏木:「えっとーいやまあ、はい。そもそももう隠れていると思いますけどね。スマホに入れたマップアプリを30分以上使用しなければ位置情報が消失して更新しなくなるんですよ、まあ再び立ち上げれば見えるようになりますけどね。」
アッキー:「つまり敵を探そうとすれば自分の場所もばれるから不意打ちの危険ができるってーことか?それはなんつーか…」
割に合ってねーな、そんなもん開かない方が得だろうに。あ、だからこいつはその情報を教えなかったのかこんちきしょーめ。
柏木:「そうですねー。せんせぇが何のことを言っていたかはわかりませんが、とりあえず思い当たる言わなかった情報はいいました。まあほかに聞きたいことがあったら聞いてください。仕方ないので今度はちゃんと答えてあげますから。じゃあ私はちょっとやること思い出したので出かけてきます。確かに長所ではありますけど、あんまり無警戒でいちゃ駄目ですよ。あっ先にご飯食べていていいですよ~」
そういって家から出て行った、下手すると初めてあいつに殺された時以上に呆然としたぞ。というかいったい俺のどこが無警戒だっていうんだ。状況分かってるのか?
そういって再び角煮に手を伸ばす。
アッキー:「…美味しい」
「確かになー、あっ、そこにおいてある醤油とってくれへん?」
アッキー:「あ、はいどうぞ…って誰だよ!!」
気づいた時にはその女は平然とそこにいた。柏木の夕食を食べていた。
アッキー:「い…いつからいた!何だよお前!ってどうせ能力者か、くそっ!く、来るなら来いよ!」
そばにあったナイフを手に持ちながらそう言う
「ちょっ、まあまあ、ちょっと落ち着き、能力者ってのは別に間違ってへんけど別に敵意があるってわけじゃないんよ。このタイミングきたのもあのイカツイねーやんが怖かっただけやし。他意はないねん」
アッキー:「は、はあ?そ、そんなの信じられるかよ!だいたい何でここに俺がいるって知ってんだ!位置情報は消えてるはずだろ!…まさかアイツまたうそを!」
「いやいや、その件に関してはあの子は悪くないねん、おっとそういや名前教えとらんかったね。うちの名前は高槻 茜、あんたと取引をしに来た。」
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